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好き勝手に生きる!
第二十話「貴様を炭火焼にしてやろう」
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えよな。


 途切れそうになる意識を繋ぎ合わせ、立ち上がる。


「行こうぜ、みんな!」


 心配そうな目で見つめてくる部長たちの視線を振り切るように、ライザーのもとへ駆け寄る。そして、拳を振り上げた。


「ぐはぁ!」


 俺の拳はたやすく避けられ、逆にカウンターを腹に叩き込まれてしまった。その場で膝をつく。


「先輩……!」


 小猫ちゃんが反対方向からライザーに襲い掛かるが片手で受け止められ、立ち昇る炎に身を焦がされる。


「あぁ……ッ!」


「小猫!」


 悲鳴を上げる小猫ちゃんにアーシアが駆け寄ろうとするが、彼女の足元に突如魔方陣が展開される。円柱状の結界と思わしきそれはアーシアがいくら叩いてもビクともしなかった。


「そこの『僧侶』の回復は厄介なのでな、封じ込ませてもらった。ちなみにその結界を解けるのは俺かユーナベールしかいない」


 くそ、これじゃあアーシアの『神器』が使えない!


 ボロボロになった小猫ちゃんの体が透けていく。


『リアス・グレモリー様の〈戦車〉一名、リタイア』


 くっ、小猫ちゃん……!


「よそ見する余裕があるのか?」


 頭上からの声。顔を上げる暇も無く、顔面を蹴り飛ばされた。鼻血が吹き出す。


 ああ……とうとう目がイカレちまったか……。


 右目から見える視界はぼやけ、目としての機能を失われた状態だ。しかも三半規管もやられたのか、やけにフラフラしてちゃんと起き上がれない。


「終わりだ、赤龍帝の小僧」


「させんよ」


 第三者の声。鈍い音がしたと思ったら、すぐそこまで迫っていた気配が遠ざかった。


 誰だ……? レイにしては声が低いし……。


 地に伏した状態で声のした方を向く。


 ――カツン、カツン、カツン、カツン……。


 階段を上る靴音が規則正しく続き、次第に音が大きくなる。開け放たれた扉から、その男は現れた。


 背の高い男だ。駒王学園の制服を着た男。ダークブラウンの短髪に蒼い眼。堀のある輪郭はどことなく渋さが窺える。木場とは違ったイケメンだ。なんというか、『漢』っていう感じか? いや、ミルたんのようなタイプでもないけど。


 鷹を連想させる鋭い目は真っ直ぐライザーを射抜いている。


「だ、誰……?」


 部長も戸惑った顔で乱入してきた謎の男を見つめている。アーシアはただ首を傾げているだけだった。


「おい、リアス。こいつはお前の眷属か?」


「いいえ、知らないわ」


 怪訝そうに訊くライザーに部長は首を振った。本当に誰なんだ、この人は……?


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