第二十話「貴様を炭火焼にしてやろう」
[4/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
えよな。
途切れそうになる意識を繋ぎ合わせ、立ち上がる。
「行こうぜ、みんな!」
心配そうな目で見つめてくる部長たちの視線を振り切るように、ライザーのもとへ駆け寄る。そして、拳を振り上げた。
「ぐはぁ!」
俺の拳はたやすく避けられ、逆にカウンターを腹に叩き込まれてしまった。その場で膝をつく。
「先輩……!」
小猫ちゃんが反対方向からライザーに襲い掛かるが片手で受け止められ、立ち昇る炎に身を焦がされる。
「あぁ……ッ!」
「小猫!」
悲鳴を上げる小猫ちゃんにアーシアが駆け寄ろうとするが、彼女の足元に突如魔方陣が展開される。円柱状の結界と思わしきそれはアーシアがいくら叩いてもビクともしなかった。
「そこの『僧侶』の回復は厄介なのでな、封じ込ませてもらった。ちなみにその結界を解けるのは俺かユーナベールしかいない」
くそ、これじゃあアーシアの『神器』が使えない!
ボロボロになった小猫ちゃんの体が透けていく。
『リアス・グレモリー様の〈戦車〉一名、リタイア』
くっ、小猫ちゃん……!
「よそ見する余裕があるのか?」
頭上からの声。顔を上げる暇も無く、顔面を蹴り飛ばされた。鼻血が吹き出す。
ああ……とうとう目がイカレちまったか……。
右目から見える視界はぼやけ、目としての機能を失われた状態だ。しかも三半規管もやられたのか、やけにフラフラしてちゃんと起き上がれない。
「終わりだ、赤龍帝の小僧」
「させんよ」
第三者の声。鈍い音がしたと思ったら、すぐそこまで迫っていた気配が遠ざかった。
誰だ……? レイにしては声が低いし……。
地に伏した状態で声のした方を向く。
――カツン、カツン、カツン、カツン……。
階段を上る靴音が規則正しく続き、次第に音が大きくなる。開け放たれた扉から、その男は現れた。
背の高い男だ。駒王学園の制服を着た男。ダークブラウンの短髪に蒼い眼。堀のある輪郭はどことなく渋さが窺える。木場とは違ったイケメンだ。なんというか、『漢』っていう感じか? いや、ミルたんのようなタイプでもないけど。
鷹を連想させる鋭い目は真っ直ぐライザーを射抜いている。
「だ、誰……?」
部長も戸惑った顔で乱入してきた謎の男を見つめている。アーシアはただ首を傾げているだけだった。
「おい、リアス。こいつはお前の眷属か?」
「いいえ、知らないわ」
怪訝そうに訊くライザーに部長は首を振った。本当に誰なんだ、この人は……?
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ