第二十話「貴様を炭火焼にしてやろう」
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「なんだと!? まさか『雷の巫女』以外にユーナベールを打倒できるやつがいるとは……もしかしてあの人間か?」
俺はそれには答えず、アーシアのもとに向かった。ライザーは特に行動を起こすことなく眺めているだけだ。余裕のつもりか?
小猫ちゃんの治癒が終わり駆け寄ってきたアーシアがすぐさま俺の傷を治してくれる。やっぱりアーシアの『神器』はすげぇな。あれほど痛かったのにアーシアの淡い光に触れるとたちまち和らぐ。
さすがに体力までは回復できないみたいだけど、十分だ。これで戦える!
「イッセー、レイは?」
「敵の『女王』を相手に残りました。さっき倒したようですから、もうすぐ来ると思います」
小声で聴いてくる部長に俺も小声で返す。
ライザーが如何にも面倒くさそうな顔で言う。
「まだやるつもりか? いい加減、お前らに勝ち目がないことを理解したらどうだ?」
「はっ、何言ってやがる! そっちはお前を含めて二人、こっちはまだ五人いるんだ。これのどこに勝ち目がないってんだ」
そうさ、数的にはこっちが有利。しかしライザーは溜め息をつくと首を振った
「お前は全然理解していないな。我らフェニックスを相手にすることがいかに無謀かということを。そっちのリアスは理解しているようだが」
振り向けば部長は唇を噛み締めていた。だけど、だけどなぁ……。
「――知らねえな、そんなもん。俺はまだ戦える、拳を握れる。それで十分だろうが! 部長、踵部はまだ続行ですよね!?」
部長の顔に活気が宿る。
「ええ、そうね……! 私たちはまだ戦えるわ!」
「……ボッコボコです」
小猫ちゃんが小さくファインティングポーズを取った。
「ええっと、頑張ります!」
焦り顔のアーシア、君は回復に専念してね!
「イッセー、みんなでライザーを倒すわよ!」
「はい!」
「……いきます」
小猫ちゃんとともに駆け出す。この拳をあいつの顔面に!
「いくぜ、ブーステッドギア!」
『Burst!』
それは死刑宣告にも似た音声だった。籠手から無機質な音声が発せられると同時に身体が重くなり、力が抜けていく。立っていられず、その場で四つん這いになった。
――ガフッ。
血反吐を吐いてしまう。傷は治ったのに、身体はすでに限界かよ……。
冗談じゃない、ここまで来て終われるかよ!
「イッセー!」
「イッセーさん!」
「先輩……!」
部長たちの悲鳴が聞こえる。はは、女の子たちに心配かけさせちゃいけね
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