コードギアスR1
0147話
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妹の死に涙を流せない自分を責めるかのように苦しそうな表情を浮かべるコーネリア。俺は黙ってその紫色の髪を撫でる。
「大きすぎる悲しみを受けた人は、感情に蓋をする。そのままその悲しみを受けると壊れてしまうからな。コーネリア、お前が今泣けないのはそれだけユーフェミアを愛していた証拠だよ」
「そういうものなのか?」
「ああ」
コーネリアはそれだけ言うと、後は黙って俺に髪を撫でられ続けていた。
そのまま5分も経っただろうか。いつの間にかコーネリアのその瞳から一筋の涙がこぼれ落ちる。暖炉の火の明かりに反射するその涙は、とても幻想的なものに思えた。
「あ……ああああぁぁぁぁあぁぁあぁぁぁぁあぁぁっ!」
その一筋の涙が皮切りになったのだろう。最初は小声で、徐々に叫ぶような泣き声を上げながらコーネリアは涙を流す。
「ユフィっ、ユフィっ……私は、ユフィに会いたい、もう会えないなんて嫌だ!」
俺を強く抱きしめながら号泣するコーネリア。俺はただ黙ってその髪を撫でながら落ち着くのを待つしか出来なかった。
その状態のまま十分程が経過しただろうか。ようやくコーネリアは泣き止み、それでもまだユーフェミアを失った空虚を埋めるかの如く俺を抱きしめ続けていた。
「……人前で、しかも男の前で泣いたのは生まれて初めてだ」
「俺も皇族に胸を貸して泣かれたのは初めてだよ。ほら」
ポケットからハンカチを取り出し、コーネリアへ差し出す。
「すまんな」
「いや。もう落ち着いたな?」
「ああ」
「それでこれからの事だが」
「もちろん……ユフィの仇を取らせて貰う!」
「そうだな。俺もあの放送を見ていた。あれは明らかに何かがおかしかった。ユーフェミアの事をそれ程知らない俺でも感じる程に」
「そうだな。ユフィが虐殺など命令する筈がない」
……ギアスの事を教えるべきか? いや、だが俺が知っているのは知識だけで証拠を出せと言われればどうしようもない。となると……
「そうなると、仇を取る前にゼロを捕らえてユーフェミアに何をしたのか問い詰める必要があるんじゃないか?」
ギアスの事を教える事が出来ればダールトンに気をつけるようにとのアドバイスも出来るのだが……それも今は無理か。
「そうだな。まずその秘密を聞き出さなければユフィの汚名をそそぐ事も出来ん」
「幸いと言うか、何と言うか……黒の騎士団がフジからテログループや一般人を吸収しながらこのトウキョウ租界に向かって来ている」
この部屋に来てどのくらいの時間が経ったのかは正確には分からないが、黒の騎士団はトウキョウ租界近くまで来ている事だろう。あるいは既に戦端が開かれているかもしれない。ギルフォードに言って戦闘準備は整えさせてあるが、その部隊を動かすに
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