第57話 戦闘マシーンに人の心を
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、鉄也さんトレーニングの方法とか知ってるんでしょ? だったら教えて下さいよ」
「おいおい……」
今まで以上の大きな溜息を吐く鉄也。本来なら御免被る所なのだが自分が言った手前無碍には断れないのである。
「分かった。だが途中で投げ出すなよ」
「はい、頑張ります!」
それから、毎日フェイトと鉄也は共にトレーニングをする事となった。鉄也の出すトレーニング内容はかなり厳しいのが多いが、それでも幼いフェイトでもこなせる内容を用意してくれている。その辺りはちゃんとしてくれているようだ。
伊達に戦闘のプロを自称している訳ではないようだ。
それから、フェイトの体当たりでのコミュニケーションは続いた。ある時、鉄也が一人で食事を摂っていた時。
「鉄也さん、隣良いですか?」
「またお前か。好きにしろ」
「はい、それじゃ好きにさせて貰います」
誰もが鉄也から遠ざかって食事をする中、フェイトだけが鉄也の近くで食事をするようになった。
しかも、四六時中鉄也と会話をしながらである。
「この魚の味付け美味しいですね。何て言うんだろう」
「鯖の味噌煮だ」
「この豆、臭いんですけど……もしかして腐ってるんですか?」
「それは納豆だ」
と、こんな感じである。ふと、フェイトは鉄也を見た。何と、鉄也は納豆に砂糖を入れてかき混ぜていたのだ。
その光景にギョッとする。
「て、鉄也さんって……納豆に砂糖を入れるんですか?」
「あぁ、俺はこの食い方が好きだからな」
意外であった。フェイトも納豆なる物を食べるのは初めてだが、だからと言ってそれに砂糖をまぶして食べると言う食べ方を見るのも初めてであった。
(何か、母さんを見てるみたい)
ふと、フェイトは良くお茶に砂糖とミルクを入れるリンディを思い浮かべた。もしかしたら彼ならリンディの呑み方も行ける口なのかも知れない。
そう思えた。
「ぼさっとしてないでさっさと食え。飯食ったらまたトレーニングだぞ」
「は、はい!」
鉄也に諭されて食事を再会するフェイト。何分鉄也のトレーニングは厳しいので食事が美味い。これも良い事なのだろう。何しろ鉄也の出す課題の殆どは基礎トレーニングに過ぎない。しかしそのレベルは半端無いのだ。
「おい、リョウ……」
「あぁ、フェイトちゃんと鉄也がなぁ」
回りで遠巻きに食事をしていた皆はその光景を目の当たりにしていた。誰もが鉄也を避ける中フェイトだけが鉄也に近づいている。その光景が皆にはとても不思議に見えたのであった。
***
フェイトが鉄也に体当たりでのコミュニケーションを行っていた甲斐があったのか、鉄也自身にも徐々にだが変化が見え始めていた
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