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スーパーヒーロー戦記
第57話 戦闘マシーンに人の心を
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痴っていた。同じその部屋にはフェイトとクロノが居る。三人が相談していた内容は勿論剣鉄也についてだ。

「あたしらの事をあそこまで言うなんてさぁ! 許せないっての」
「アルフの言い分も良く分かる。彼の言い分は僕達全員を侮辱したのと変わりないことだ。幾ら何でもあれは言い過ぎだ」

 アルフ同様にクロノもまた不満そうな顔をしていた。だが、その中でフェイトだけは悲しそうな顔をしていた。

「何で、鉄也さんは皆を遠ざけるんだろう?」
「決まってるよ。あいつは天狗になってるのさ。自分が強いからって有頂天になってるに決まってるよ」
「あんなのが居たらチームの輪にヒビが入る。こんな事は言いたくないけど、彼はこのチームには居ない方が良い」

 酷い言い方であった。だが、それもまた事実でもある。一人の身勝手な行動がチーム全体を危険に晒すこともある。今、鉄也が自分勝手にその不満の種をばら撒き続けていたらチームの輪は乱れ、いざと言う時協力出来なくなってしまう。それでは駄目なのだ。ならばその原因を取り除かなければならない。
 
「ねぇ、鉄也さんと話するって事は出来ないかな?」
「フェイト。残念だけど彼に話をする事事態無駄だ。彼は僕達の言葉に耳を貸そうとしない。やるだけ無駄だよ」
「でも、やらないで決め付けてたら分からないよ。私、やってみる!」

 皆が鉄也を遠ざけようとしている中、フェイトだけは鉄也に近づこうとした。フェイトの中にはかつて、自分を変えてくれた存在が映っていた。
 白き騎士甲冑を身に纏い強い心と優しさで皆を包み込んだ少女。その少女は別に力が強い訳じゃない。泣き虫で怖がりで、だけど芯の強い子だった。

(なのは、私諦めないよ。私もなのはみたいに人の心を開いてみる!)

 フェイトは一人、堅くそう誓うのであった。




     ***




 その日、鉄也は一人トレーニングルームに居た。さっきまで所員達が使用していたのだが、鉄也が来た途端皆引き上げてしまったのだ。だが、それに対して鉄也は全く気に掛けていない。寧ろ自由に使えるとばかりに黙々とトレーニングを行っていた。
 因みに今はルームランナーの最高速度でランニングを行っている。そんな時、隣で誰かがルームランナーを起動した。
 フェイトだった。彼女が鉄也の隣でルームランナーを起動させたのだ。それも、鉄也の走っているのと同じ速度で。

「何の真似だ?」
「私も、トレーニングしたいだけですよ」
「そうか……」

 それ以上問う事なく二人は黙々とトレーニングを続けた。だが、大人と子供では体力に差があるらしく、先にフェイトがばて始めてきた。

(い、何時まで走るんだろう? そろそろ限界かも……)

 チラリと鉄也を見る。彼の体からも汗が流れ
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