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スーパーヒーロー戦記
第56話 蘇れ、われらのゲッターロボ
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見つけたフェイトが振り返る。

「待って下さい。まだ鉄也さんの紹介をしてない……」
「その必要はない。時間の無駄だ」

 冷たくあしらう鉄也。明らかに興味がなさそうな物言いだ。それを聞いていた者達の中にはその言い分を黙って聞けない人間も居たりする。

「待ちなさい鉄也君」

 呼び止めたのはリンディだった。鉄也はさも面倒臭そうな顔を表面に出しながら振り返る。

「私達はこれから共に戦うチームなのよ。今の内に親睦を深めておく必要があるの」

 最もな言い分であった。それを聞いていた鉄也はふぅ、と溜息を尽く。体を全てリンディの方に向けてきた。その後鉄也の口から放たれた言葉は今でも皆にとっては衝撃であった。

「一言言わせて貰うぞ。俺はお前等がやってるような【仲良しごっこ】をするつもりはない。俺は此処に来れば実戦経験が積めると聞いて同行をしたまでだ」

 余りにもあんまりな言い分であった。最初から自分達など宛てにしてない。そう言っているような物だ。

「本来なら所長の命令がなければお前等みたいな奴等とつるむこと事態御免だ!」
「何だと!」

 クロノが食い下がる。が、鉄也は鼻にも掛けない。

「良いか。戦闘獣の相手は俺がする! お前等はその他の雑魚の相手をしてなるべく俺の邪魔にならない様にしろ! 少しでも目障りになったら容赦せずに叩き落とす! 覚悟しておけ」

 それだけ言い終えると鉄也はブリッジを去ってしまった。鉄也の言った言葉は今でもメンバーを驚愕させる事となった。今までにないタイプの人間だったのだ。
 決して悪人ではないのは分かる。だが、最初から仲間など信頼していない。そう実直に鉄也は言い放ったのだ。
 これから先、彼と共に戦うのとなると気が重くなる。

「とんでもない奴がパイロットだったな。あのマジンガーZの時とは大違いだ」

 クロノが言っているのは兜甲児の事であろう。彼は鉄也とは違いオープンであり仲間を信頼していた。正しく鉄也とは真逆の人間性だったのだ。だからこそ皆甲児を信頼出来たし仲間としても認識出来た。
 が、今度来た鉄也は話が別だ。まるで自分自身で壁を作ってるような人間性なのだ。あれではチームワークなどあった物じゃない。

「これでは先の戦いが思いやられるわね」

 深く溜息を吐くリンディ。彼女の言い分も最もだ。これからは更に戦いが激化する。個々の力では戦い抜くのは厳しくなっていく。だからこそ互いに力を合わせて行くことが重要なのだ。にも関わらずである。

「これから先が大変だな」

 誰もがクロノの言ったとおりだと思えた。未だ回復しきっていない戦力。新しく入った戦力はチームワークを無視するなど、問題が多い。

(こんな時、なのはだったらどうしただろう?)


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