第55話 大空へと飛びたて!グレートマジンガー
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じゃない事は明らかだった。
「戦闘獣か!」
戦闘獣。あれがそうなのか?
フェイトは上空を飛び回る戦闘獣オベリウスを見た。あれが5ヶ月前世界各国を襲撃した新たな敵。そして、なのはに重症を負わせマジンガーZを戦闘不能状態に追い込んだ強敵。
それが今、目の前に現れていた。
「フン、良い機会だ。改良されたグレートの慣らし運転の相手になって貰うぜ!」
「あのままじゃ町に行ってしまう。何としても此処で食い止めないと!」
目の前の戦闘獣は明らかに首都に向おうとしている。首都では以前の傷跡からの必死の復興作業が行われている真っ最中だ。其処へ再び奴を行かせる訳にはいかない。何としても此処で倒さなければならないのだ。
「お前も戦うのか?」
「私だって嘱託魔導師です! それに、あそこまで言われて黙ってられません」
どうやら先ほど言われた事が相等効いているのだろう。それを見て鉄也が意地悪そうに笑みを浮かべた。
「ほぅ、どうやら根性は据わってるみたいだな。良いだろう。俺がグレートを出すまでの間奴を足止めしろ。後は俺で片付けてやる!」
「分かりました」
互いに了解しあい、鉄也は急ぎ研究所へと戻って行った。グレートが発進するまでおよそ数分。あの戦闘獣ならその間に首都に向う事など訳ない。そうさせない為にも自分が此処であの戦闘獣を食い止めなければならないのだ。責任重大であった。
「行くよ、バルディッシュ」
待機状態のバルディッシュを取り出し起動させる。金色の閃光が体に纏わり魔力を帯びた鎧が装着された。手には起動状態となったバルディッシュが握られる。黒い鎌を連想させる姿であった。
フェイトの体が大空へと舞い上がる。魔力を使用した飛行能力だ。首都へと向おうとする戦闘獣オベリウスの前にフェイトは突如姿を現す。当の戦闘獣としては驚きの瞬間であろう。
何しろ人間が空を飛びまわっているのだから。
「此処から先へは行かせない! 私が相手だ」
「ふん、人間風情が偉そうな事を!」
一瞬フェイトは驚愕した。目の前の戦闘獣が突如言葉を発したのだ。今まで機械獣やメカザウルス等と戦ってはいたがどれも言葉を発する事はなかった。なのに目の前の戦闘獣は言葉を発しているのだ。それは即ち敵に相等の知能を有している事が明らかとなる。生半可な戦法はコレ以降通用しないだろう。
「何であろうと俺様の邪魔をするのなら切り刻むだけだ!」
「負けない! 私だって強くなるんだ!」
自分自身にそう言い聞かせ闘志を奮い立たせる。巨大な相手の場合気持ちで負ければ意味がない。それはいかなる戦いでも同じ事なのだ。
フェイトは高速で戦闘獣へと近づいた。彼女の戦闘は一撃離脱戦法だ。ならば一気に相手の懐に近づいて攻撃しなければならな
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