第55話 大空へと飛びたて!グレートマジンガー
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当初の予定通りグレートマジンガーは我々アースラ隊が引き取る形で宜しいですね?」
「お願いします。パイロットにもグレートにも実戦経験を積ませるには貴方方に預けるのが一番有効な手段ですからね」
どうやら話は済んだようだ。軽く息を吐き、リンディは隣で微かに寝息を立てているフェイトに目をやる。彼女なりに結構頑張ったようだが結局最後まで粘る事は出来なかった。見るからに話の半ば辺りで撃沈したと思われる。
「フェイト、起きなさい」
「ふぁ?」
思い切り虚ろな表情をし、口からは涎を垂らしながらフェイトは顔を上げる。余程面白かったのだろうか目の前の男性は必死に笑いを堪えているようにも見える。
それを見て、フェイトは自分がこの話の間眠ってしまっていた事を自覚した。
何やってるんだろう。私ってば――
思わず俯きだす。顔は赤面状態となり穴が有ったら入りたい心境になった。
***
話し合いを終え、暫しの休息時間を貰い、フェイトは付近の海岸を歩いていた。今の時期は冬に入った辺りのせいか海は荒れているらしく波が高い。
それに海特有の塩の香りがした。フェイトには新鮮な香りであった。海鳴市も海に面した町だった為塩の香りはしたが此処まで近くで海を見たのは恐らく初めてであろう。
良いなぁ、海の香りって。
そう思いながらフェイトは胸一杯に塩の香りを吸い込んだ。香りも良いがこうして耳の中に入ってくる波の音もまた良い。寄せては返す波の音はそれだけで心を癒してくれる。何時まで聞いてても飽きないとはこの事なのだろう。
とは言え、自分は管理局の嘱託魔導師。何時までも感傷に浸ってる訳にはいかない。今回の話も済んだ事だしすぐにアースラに戻り次の出撃に向けて準備をしなければならない。
立ち上がり、スカートについた砂を手で払い落とす。少々名残惜しいが海を眺めるのは終わりにする。
波の音しか聞こえない筈なのに別の音が聞こえてきた。砂浜を走るバイクの音だ。それと同時に漂ってくる排気ガスの匂い。それは丁度フェイトの前を通り過ぎていった。大型バイクに跨っているのは紫のマフラーを巻き、青いショートトレンチにズボンと言った落ち着きのあると言えば聞こえは良いが、言い方を変えればそれは年寄り臭い服装とも言えた。
そんな服装を身に纏っていたのは18歳頃の若い青年であったのだ。
誰だろう? この付近の人かなぁ?
バイクに乗って走っている青年を見ながらフェイトはそう思った。と、その青年がこちらに向ってきている。近くで見たその青年の顔はとても険しい顔つきをしていた。歴戦の勇士――と、聞こえは良いが早い話しが怖い顔をしているのだ。
先ほど出会った兜博士と同じかそれ以上に怖い顔であった。その青年がフェイトの前でバイクを
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