第55話 大空へと飛びたて!グレートマジンガー
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見抜かれていた。闇の帝王の鋭い指摘に暗黒大将軍は返す言葉がなかった。それを見ていたゴーゴン大公は密かに「ざまぁみろ」とばかりに微笑んでいる。
【暗黒大将軍よ、貴様が精鋭を誇る七つの軍団を打ち破ったあのロボット。何としても叩きのめせ! 我等ミケーネ人の栄光は貴様の双肩に掛かってる事を忘れるな!】
「ハハッ! 直ちに新たな戦闘獣を選りすぐり日本攻略に向けて出陣させます!」
【吉報を待っているぞ。暗黒大将軍】
その一言を最後に雷鳴は鳴り止み、闇の帝王の声は聞こえなくなった。嵐が過ぎ去ったとばかりに暗黒大将軍は安堵の溜息を吐く。彼ほどの男が恐れるのだから闇の帝王と言うのは相等恐ろしい存在なのだと思われる。
「七大将軍よ! おぬし等の精鋭の中であのグレートマジンガーなる者を打ち倒せる猛者は居るか?」
「それでしたら暗黒大将軍! 是非この怪鳥将軍バーダラーめに出陣のご命令を!」
暗黒大将軍の前に並ぶ七人の異形。それらは暗黒大将軍の懐刀とも呼ばれている七大将軍である。彼等の姿はそれぞれの種類に応じた姿をしていた。
昆虫、鳥、爬虫類、魚、人、獣、悪霊。それらの姿をした将軍達こそ七大将軍なのである。
「おぉ、バーダラーよ。お主が出るか? して、その猛者の名前は?」
「戦闘獣オベリウスに御座います。空中戦に置いては無敵の猛者に御座います」
「よし、直ちに戦闘獣オベリウスを地上に送り込め! そして地上の人間共を抹殺し、憎きグレートマジンガーを地獄へ叩き込むのだ!」
暗黒大将軍の野太い号令が響く。それを受け、七大将軍が皆声高く咆哮する。それは新たな戦乱の幕開けを予感させるには充分な物であった。
***
フェイトは半ば落ち着かない気持ちで座っていた。着慣れない管理局の制服に身を包み、隣に居る養母であり上司でもあるリンディと共に用意されたソファーの上に座っていた。
部屋の広さは7〜8畳位のスペースしかなく、置かれてる物も簡素なテーブルとソファーのみと言った質素な部屋だ。向って右側には大きく付けられたスライド式の窓が張られており、其処から嵐の後の青空が見えた。
空に上っている太陽の高さからして時刻は昼過ぎだと言う事が伺えられる。そんな時刻、二人は此処科学要塞研究所へ訪れていた。理由は勿論、グレートマジンガー、並びにそのパイロットの受け取りである。
茶色の木製扉のノブが回り、扉が開く。其処から白衣を着た壮年の男性が現れた。
その男性を一言で言い表すとするならば厳格そうな男性と言えた。
整った太い眉毛に鋭い眼光。綺麗に揃えられた髭、そして両手は何故か機械の様な手を曝け出している。何故そんな手なのか聞こうと思ったのだが止める事にした。人には触れられたくない傷の一つや
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