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スーパーヒーロー戦記
第55話 大空へと飛びたて!グレートマジンガー
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彼の手足をへし折り、あばら骨を粉砕させてしまったのだ。
 勿論兵士にも非はある。しかし、だからと言って兵士に瀕死の重傷を負わせて良いかと言われればそれは駄目だ。
 結局、その後兵士は即刻病院送りとなり鉄也は暫しの間反省も込めて独房内で過ごす事となった。この事から分かる通り鉄也は既に戦闘マシーンとしては完成されては居るが、人としてはまだ未完成な部分がある。
 そんな彼が果たしてアースラ隊で上手くやっていけるかどうか正直不安ではあった。

「機械は手を加えればすぐに結果を出す。だが人間は別だ。こればかりは時間を掛けてやらねばどうしようもない。無責任だが、鉄也君自身が変わってくれる事を祈る他ないな」

 静かに兜博士が呟いた。丁度外は嵐が去り青空が顔を見せ始めた。この青く美しい空を何時までも人類の物にする為にも、一刻も早くグレートマジンガーの完成を急がねばならない。
 時間は余り残されていないのだ。




     ***




 暗黒大将軍の苛立ちは頂点に達しようとしていた。無理もない。日本攻略の為に放ったミケーネ七つの軍団の精鋭がいとも簡単に倒されてしまったのだから。そのせいで本来なら既に世界は占領され地球はミケーネ帝国の物となっていた筈だったのだ。
 しかし、マジンガーZへトドメを刺そうとした際に現れたバイカンフー、そしてグレートマジンガーの横槍により計画は断念せざるを得なくなり、結果として計画を大きく遅らせる事となってしまった。
 その事が暗黒大将軍を激しく苛立たせる要因ともなっていたのだ。

「暗黒大将軍様、お怒りの程はこのゴーゴン大公自分の事の様に思います」
「黙れ! 貴様情報官の癖になんたる腑抜けだ! 何故あの様なロボットの存在に気づかなかったのだ! 貴様さえしっかり情報を回しておけばこの様な停滞など無かった筈なのだ! 恥じを知れ!」
「ははぁっ! 肝に銘じます!」

 低く、地面と擦れあう程にゴーゴンは頭を下げた。しかしその内心は暗黒大将軍と同じ位怒りで煮えくり返っていた。しかしその怒りの矛先はグレートマジンガーにではなく、目の前で怒っている暗黒大将軍にであった。

(おのれぃ、自分の失敗を俺のせいにしやがって……いずれこの屈辱を晴らしてやる!)

 堅く胸の内に誓うゴーゴン大公。その屈辱が晴らせる時が来るかどうかは分からない。少なくとも今はそれよりも大変な事態が起こってしまったからだ。
 上空で激しい稲妻が起こる。天が怒り狂っているかの様なほどの激しい稲妻であった。

【何を悠長にしておるのだ暗黒大将軍よ!】
「おぉ! こ、これは闇の帝王様! 滅相も御座いません。只今我等は地上侵略の作戦会議をしていたのです」
【部下に当り散らす事が作戦会議なのか?】
「ぐっ……」


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