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第四十九話 予期せぬ邂逅
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随分と勿体つける老人に若干の苛立ちを感じないわけでもないが、ソレイユは老人が言葉を発するのを待つ。

「実は、その雄鶏の尾羽を欲しがっているものがいるらしいのですよぉ。へへっ」

「またけったいな御仁がいたものだな。どこのどいつなんだ、それを言ったのは?」

その質問に老人は意味深な笑みを浮かべた後、答えた。

「炎の国に住まいし巨人の伴侶となりし女巨人でさぁ。へへっ」

抽象的に言う老人の言葉の意味を正確に理解していた。つまりは――

「(ヒントは与えた。その言葉が指すものは自分で探し出せってことか)」

ということである。それをソレイユは面倒だとは思わない。こういうものは色々楽しみ方があるものだし、頭を使って解くのは割と得意なことなのでこの情報をくれた老人には感謝しなければならないだろう。

「貴重な情報をありがとう。そういや、あんたの名前を聞いてなかったな」

「ロプトル。しがない老人ですよ。へへっ」

「なんでしがない老人がそんな情報知っているのか不思議でならないなー」

「それはお教えすることはできないんで、申し訳ありませんね。へへっ」

「いやいや、気にすることはないよ。本当に感謝してるんだ。ありがとう、“ロキ”」

老人が名乗った名前を言わず、北欧で有名な神の名前を口にするソレイユ。その言葉に今まで薄気味悪い笑みを浮かべていた老人はその笑みを凍らせたが、次の瞬間今までの老人の声ではなく、艶のある声が響いた。

「なるほど」

雰囲気を一変させた老人は光に包まれると今までの姿が嘘みたいな美しい顔立ちとなっていた。しかし、その顔に浮かんでいる表情は邪悪極まる笑みだった。本来の姿に戻ったロキはソレイユのことを見据えている。

「何がなるほど、なのか教えて貰ってもいいか?」

「いや、気にするな。単なる自己完結だ」

「あっ、そう」

特に気にした様子もなくそう言うソレイユ。そんなソレイユをロキは面白そうに見つめる。まるで値踏みされているような気分になり、その視線を受けるソレイユは不快な気持ちしか浮かんでこない。

「なかなか腕が立つようだな。それならば問題ないだろう」

「何が問題ないのか教えては・・・貰えそうにないな」

「その尾羽の使い道のヒントは与えたのだ。それ以上何を望む?」

「特に何も望みはしないさ。もう一つ言わせてもらえば、あんたが言っていたヒントはもう解けたぞ」

「ほう。それが真なら、随分と知恵のまわる妖精だな」

「褒め言葉、として受け取っておくことにするよ」

それじゃあね、とロキの方を見向きもせずぼろ家の扉から出て行こうとするソレイユ。そんなソレイユを見たロキは小さくだが笑い声をあげる。

「くっくっくっ・・・やはり妖精
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