フェアリィ・ダンス編〜妖精郷の剣聖〜
第四十九話 予期せぬ邂逅
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とりあえず、当面の問題は機嫌を損ねてしまった愛しの姫君の機嫌取りだろう、と心の中でのみ思うことにした。
◆
周りを見渡しながらレプラコーン領内を周るソレイユ。インプ領では見なかったアクセサリー店や上質な武器が置かれている武器店、防具専門店など数々の店が並んでいる。さすがは細工が得意な種族である。武器のカテゴリー一つとってもレパートリーが半端ではない。
「さすがは鍛冶妖精ってところ、か。それに人種ならぬ種族のるつぼって感じだな、この領地って」
改めて見ると先ほどの様にノームやプーカといった種族を多く見るが、それ以外にもケットシーやシルフ、サラマンダーといった比較的領地が遠い場所にある種族もちらほらと見える。此処で暮らしているわけではないだろうが、央都アルンを除けば一番多種族が集まる場所であろう。
「さて、と・・・目ぼしい物があったら買うが、とりあえずは冷やかしか・・・」
堂々と冷やかし宣言をするソレイユ。肝が据わっているというか、神経が図太いというか、なんと言えばいいか迷うところである。そして、いざ冷やかしへ行こうとしたところで声を掛けられた。
「おお、そこの旅人さんや・・・随分珍しいものをお持ちのようだ。へへっ」
いつの間にか近くにいた薄気味悪い笑みを浮かべた老人がソレイユに向かって話しかけていた。レプラコーンでも他の種族でもないことからNPCであることは間違いない。何かのクエストのフラグか、とかんぐるが老人の頭の上を見る限りそうではないことが判明した。ならば何かのイベントか、と思い一応は話を合わせることにした。
「珍しいものって・・・そんなものあったか?」
「へっへっへっ・・・とぼける必要もないでしょうに。雄鶏の尾羽など手に入れようとして手に入れられる代物じゃないでしょう?」
ここまで来てソレイユはこれがどんなイベントなのか察しがついた。ならば拒む理由はなくこのイベントに乗っかるだけである。
「そうはいってもな・・・なかなか使い道がなくて困ってるんだよ」
「それなら、いい情報がありまっせ。へへっ」
そういってどこかに歩いていく老人。このまま別れても得することはないので老人の後を追うソレイユ。しばらくすると誰も寄り付かないような裏路地に入りぼろぼろの家に入っていく。
「で、そのいい情報を知るにはどうしたらいいの?」
「いえいえ、どうもせずとも教えますとも。へへっ」
薄らと笑みを浮かべて老人は言えの中にあったぼろぼろの椅子に座る。ソレイユは腕を組み壁に背を預けるだけである。もちろん武装は解除していない。
「んじゃ、聞かせてもらおうじゃねぇの」
「へっへっへ・・・そう急がずとも情報は逃げやしませんって。へへっ」
「・・・・・・」
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