プロローグ〜邂逅〜
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だし、そして頬を一筋の涙が伝う。
「き、気に入らなかったかしら?」
焔は焦って、泣きだした少年を慰めようとする。
それに対し、少年はフルフルと首を横に振って嗚咽まじりの声で返す。
「朱才……君業…名前を、ありがとうございます…母様」
名前もなく、人形として扱われてきた少年にとって、名前というのは非常に大きなものだった。憧れ、そして嫉妬の的。
今まで欲しくて欲しくて、でもどうせ手に入らないと思っていたものがようやく手に入ったのだ。その感動は計り知れない。
「…そう、よかったわ」
そしてその真意を感じ取った焔は今一度少年を胸に抱いて一言。
「これからよろしくね。江」
とだけつぶやいた。
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