弐ノ巻
ひろいもの
5
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証できない。あたしたちもだけど、速穂児は忍でありながら村雨を出たと言っていた。忍の足抜けは…あまり、例がない。守られるべき秘密を知っている忍びがその任を解かれる時は、その命と共に奪われることが多いからだ。
そんなところへのこのこと戻っていくのは、わざわざ殺してくださいと言わんばかりではないか。
「危険なことはしない。大丈夫だ」
「…そう」
でも。
父上に会った村雨家の正室が発した第一声は
「この方、どなたですか」
だったのだ。
あれれ?
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