第7話
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続けば良いのだがな)
悠斗の胸板に頭を預ける。悠斗の心音一定のリズムを維持しているのが分かる。
(そう言えば、川神から死合いの申し出があったな。我は受けるべきであろうか?)
既に川神百代とは3度戦ってるが、未だに決着は付いた事はなかった。
3度目の死合いでは片腕を折られ、骨が2本外されたがそれでも揚羽自身は負ける気がしなかった。
「揚羽様。なにか、難しい事を考えられておられますね」
「うむ。川神院から四度目の死合いの申し出があった。それを受けるか悩んでおるのだ。悠斗よ、我はこの死合いを受けるべきだと思うか?」
悠斗は我の髪を左手で撫でながら口を開いた。
「揚羽様に心残りがあれば受けるべきかと。あと半年で揚羽様も高校を卒業されます。社会に出たときにあの時死合いをすれば良かったと、心残りになる位ならば武人としての揚羽様の信じる道を行く方が良いと思います」
「(そうか。悠斗は我が我である様にするべきと申しているのか。・・・・ならば、心残りを作る位ならばこれが我の武人としての最後の死合いだ!)そうか。悠斗。ありがとう。我は決めた。死合いを受ける!」
「そうですか。ならば、明日には返事を送らねばなりませんね」
「うむ!小十郎ならば場所が分かる。小十郎に手紙を渡しあやつに行かせる」
それから我は悠斗の胸板に頭を乗せて静かに眠るのであった。
次の日に小十郎に手紙を川神院に届けさせるのであった。
揚羽sideout
とある父親side
我は今、電話である男に注文をしておる。
「安辺総理。国会で必ず通してくれ。これは日本の為だ」
「難しいですが、やってみましょう。小湖元首相が提出した時はダメでしたが、聖域なき改革のためですからね。必ず通してみせます」
「うむ。よろしく頼む。貴殿が政権与党の内に目玉政策として、通してくれ。支援は任せてほしい。でわな」
受話器を置く。クラウディオが紅茶を出してくれた。
「よろしいのですか?わざわざ、首相を動かしてまで」
「なに。表向きは我と愛人が重婚するために通させるだけよ。本来の目的は我に使う分けではない」
「紋白様ですか」
「そうよ。ヒュームからの報告では、紋白は悠斗に惚れている節があるらしい。ならば、たいして紋白に何もしてやれなかった父親として、僅かながら力添えをしてやるのだよ」
紅茶を口にする。芳醇な香りが鼻腔をくすぐる。砂糖のほのかな甘味が口に広がってゆく。
「そうですか。まあ、帝様が信じる様にするべきかと存じます」
「ああ。そうだとも。我はアレクサンダー大王の生まれ変わりなのだからな!ふはははは!!!」
何処かの飛行機の中で、男の笑い声が響くのだ
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