第7話
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いたが、悠斗が我の側からいなくなるのか。寂しくなるな。我との結婚を認める為の試練か、悠斗なら無事にクリアしていくだろうな。暫しのあいだ会えぬのが残念だが、その分今のうちに甘えるとしよう)
蛇口を捻りお湯を止める。脱衣場の扉を開けて中に入る。
「揚羽様。タオルでございます」
「うむ」
悠斗からバスタオルを受け取り、体を拭いて行く。悠斗がハンドタオルで我の髪を優しく拭いて行く。
「悠斗。暫し待て」
「は!」
悠斗は我から離れ待機する。我は下着を着て寝巻きの浴衣に袖を通す。最近は少々涼しくなってきたので、そろそろ浴衣を着るのは終わりかもしれん。
「悠斗。目を開けて構わぬ」
「は!揚羽様」
悠斗の両目が開かれる。 青い瞳が我を見つめる。我は、悠斗に近付き頭を両手で押さえて唇を奪う。
「う!・・ち・・・・ちゅ・・・ちゅぱ・・・ん ・・・くちゅ・・・ん」
悠斗は最初は驚いた様だが、すぐに我の舌を弄ぶ。我も最近は悠斗の舌の動きに合わせられる様になった。
「ち・・・ちゅ・・・・ん・・・・んん!・・・・ちゅぱ・・・ちゅ・・・くちゅ・・・ん」
脱衣場の中に粘着質な水の音が響く。互いに呼吸を忘れてキスに没頭する。やがてどちらからともなく唇を離す。互いの唇の間に1本の唾液で出来た糸が出来る。それを指で絡めとり口に入れる。
(ほんのりと悠斗の味がするな。うむ。美味だな)
我はそのまま、悠斗に抱き付く。鍛え上げられた胸板に頭を預ける。
悠斗は見た目は優男だが、中身は別物だ。
限界まで鍛え上げられた身体でありながら、それを服の上から感じさせない程の隠匿技術もあるのだ。悠斗も我を優しく抱き締めてくれる。右手で頭を撫でてくれる。
「ん・・・暖かい気持ちになるな」
「そうですか。しかし、いきなりどうしたのですか?流石に、俺も驚きましたよ?」
「なに、悠斗が居なくなると思うと寂しくてな」
「仕方ありません。流石に九鬼家の令嬢である揚羽様の婚約者が、ポッと出の侍従では体面的によろしくありませんから。試練を与えられるのは普通かと」
悠斗は更に優しく我の髪を撫でる。我は悠斗を強く抱き締める。顔を上げて悠斗の顔を見る。
「分かっておる。しかし、悠斗と離れたくはない。我を此処まで弱くしたのは悠斗なのだぞ。悠斗の正で我は弱くなったのだ。責任を取るのだぞ!」
「分かっております。揚羽様。お慕い申しております」
どちらからともなくキスをする。唇と唇が触れ合うだけの優しいキスだ。我は悠斗を強く抱き締める。脱衣場で熱くキスをした我はそのまま、悠斗を部屋に連れ込んだ。
今は、互いに布団の中にいる。我は悠斗の右腕を枕にして横になっている。
(ああ。この時が永遠に
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