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王道を走れば:幻想にて
第四章、その7の2:丘の野戦 ※エロ注意
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「誰が危険な罠へ飛び込む!?全員此処に待機しろっ、丘の向こうが分かるまで絶対に動くな!・・・おっ、おい!騎馬を動かすなぁああっ!!」

 蛮声による静止に関わらず、男達が僅かに保有する大切な戦力、数えて三十ほどの騎兵が進軍していく。騎馬隊を率いる人間の指揮官がエルフの指示から離れたのである。平野部に残されたのは僅か百程度の賊のみであり、そのほとんどがエルフであった。 
 丘を登る兵士達に向かって、ちょくちょくと弓矢が飛来する。丘を登り終える直前に弓兵らが射掛けてくるのだ。この間にも盗賊らに被害が生まれ、死体が出来上がっていく。盾を掲げても、矢を防いだ頃には弓兵の姿は消えている。

「舐めやがってっ!ちょこまか逃げてよぉっ!なんで俺らは弓が無いんだよ!!」
「んなの知るか、馬鹿!?・・・おいっ、あれなんだ!?」

 誰かの鋭い声が走る。丘向こうから、幾つもの大きな藁の塊が現れたのだ。横幅の大きなその塊を見ていると、直ぐにそれが赤い業火によって包まれた。そしてふとした衝撃を受けて、その塊が丘の斜面を駆け下りていき、赤い轍を作りながら賊達へ向かっていく。丘を登っていた賊等は一気に焦燥に駆られ、炎の藁を避けようと丘を下り始めたり、横へ逃れようとした。

「っ、避けろぉっ!!」

 再びの鋭い声。それを皮切りに彼方此方の斜面から金属のような絶叫が響き渡った。藁に押し潰された者、その炎に巻かれた者の叫びであった。身体中を炎で焼かれながら男らは釣り上げたばかりの魚のように身体を動かし、苦悶していた。藁を飛び越えようとした者も、炎によって身体を焼かれてそれを消そうとしている。
 混乱を覚えた彼らに向かって、藁を落としたであろう弓兵らが再び射掛けてきた。今度は盾で防ぐ者も少なく、面白いばかりに弓矢が賊の肉肌に突き刺さっていき、彼らの命を潰していく。
 皆を率いていた人間の若人は歯軋りしてそれらを見遣っていると、追い付いてきた騎馬隊が、彼の横を通り過ぎていく。

「お先にぃっ!!」
「てめぇっ、俺の獲物はとっておけよ!?」

 騎馬隊の指揮官は丘向こうへ消えた弓兵目掛け、仲間を引き連れて進んでいく。不遜な笑みを浮かべながら剣を構えていた。

「へっ、エルフごときが人間様に敵う訳がっーーー」
『今だっ、撃てっ!!』

 丘を登りきったその瞬間、鋭き女性の命令が響き渡り、矢の嵐が騎馬隊に飛来していく。鏃が人肉や馬肉を引き裂いて血潮を撒き散らせ、指揮官たる男もまたその嵐によって何度も衝撃を受けて、何が起こったか理解できぬといった表情をして落馬する。
 混乱を極める騎馬に追いつくように、賊の歩兵が集ってきた。再び女性の声が響き渡る。

「第二射っ、撃ちなさい!!」

 矢が霰となって彼らに向かっていく。しかしその勢いは先
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