第四章、その7の2:丘の野戦 ※エロ注意
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、この中で戦いで頼りに出来るような方は、いらっしゃらないのですか?」
「チャイなら大丈夫ですわよ。幾度も修羅場も潜り抜けていますから、それなりに出来ますわ。私も、少しくらいなら剣を扱えますし、頼りにしていただければ幸いです。
ただ、あの老人方は見て分かる通り、当てになさらない方がいいかと。下手に出しゃばったりはしないけれど、動いたりしたら忽ち的となる方々ですわ」
「・・・すると実質的に、我等だけで軍を動かすという訳ですか」
「ええ。難しい事態に直面したようですわね」
ようですわねではない、と慧卓は呟きたかった。しかし不満を口にするような馬鹿な真似も出来ないし、その時間的猶予も無かった。
「・・・皆と話をしたいです。ソ=ギィ様、チャイ=ギィ様。一緒に来ていただけますか?」
「ええ、異論は御座いませんわ」「承知致しました」
三人はその足をアリッサ達の方へ向けた。老人らの悪戯に晒されていたアリッサはぱっと顔を晴らして慧卓を見詰めた。その笑みの晴れやかさに矢張り苦笑を浮かべながら、慧卓は言う。
「如何です、賢人の方々。貴方々が刃を交える敵の全貌は」
「おっ!これはこれは、御若い王国の方々に、ソ=ギィ殿。部下の者達がなんであんなに武者震いするのか、漸く分かりましたよ。これは怖い光景ですなぁ」
「うむ。わしはずっと農村に篭りっきりだから分からんかったが、いざ現場に出るとなるといやぁ凄まじい風景よのぉ。ん、おいドイ=ト。ありゃ何をしているのだ」
「知らんわ、わしは手の届く範囲しかはっきり見えんのだぞ。状況が説明せい」
「そうだの・・・一人の男が、一人の男を組み伏せておる。で、周囲が取り囲む中で、何やら蠢いておる」
「きっと公開でぷれいをしておるのだ。そういう性癖なのだよ」
「貴方達っ、少しは緊張感を持ちなさい、皺枯れ爺共!!」
よりにもよって味方の一顛末を見ながら意見を零す老人に、ソ=ギィは怒鳴り声を漏らした。慧卓は一度指で眉間を抑えながら尋ねる。
「あの、一応確認しますけど、こっちの総数は九百人ですよね?」
「うむ、そうだ。槍兵が五百、弓兵が百五十、騎兵が五十と、荷物もちと食事作りが合わせて二百」
「つまり、まともに交戦できるのは七百人」
「それに加えて、我等も騎兵として戦うのだぞ、ケイタク殿。合わせて七百と二人だ」
「そうですか・・・ざっと敵陣を見た感じ、数は七百を超えているようですが」
「地の利は我等に御座います。高所より射掛ければ、それだけで圧倒できるかと」
「相手を全員射殺すより、こっちの矢が尽きる方が速いですよ。運んできた量を見る限り、一人あたり五射分しかありませんでしたよ。というかまともに弓を扱える人って少ないんですよね?」
「・・・残念ながら、召集した者達はほとんどが農民で
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