第四章、その7の2:丘の野戦 ※エロ注意
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は藁に倒れこんだ。陰茎を食い千切られた男は目を破れんばかりに開き、股間からだくだくと血潮を流して苦悶していた。
「くそっ、止血出来なきゃ恨むぞ、糞女!おい、確りしろ、おい!!」
「ぇっ・・・ぁぁ・・・いだぃ・・・いだぃぃ・・・」
「忌々しいっ!!おい、この女棄てて来い!見てるだけで不愉快だっ!!」
「分かってるっての・・・たく、俺のも萎えちまったぜ・・・」
仲間の一人が女の死体を外へ運び出していく。そのまま焼却処分するのであろう。エルフの男は倉庫の悲劇に背を向けて戸外へと出て行き、再び篝火の饗宴にまで戻ってきた。
篝火の傍では悲劇を露も知らぬ男達がなにやら騒いでいる。縛られた人の頸を掴みながら、一人の男が仰々しく叫んだ。
「この男は我等の巫女様を処女神の如く崇拝した!居やしない神様を祭り上げて人々を惑わすのは、悪魔のする事である!!」
『そうだそうだ!』『きたねぇぞ、糞エルフ!』
「虚栄の神を祭るこの男は悪魔によって心身を支配された!よって我等は偉大にして正当な神の名の下に、この男を浄化の炎にくべなければならない!!」
大きな歓声と拍手が巻き起こった。異端を刈り取る男は自らに酔い痴れて、生贄と軽々と肩に担ぎ、その髪に愛された膂力を披露した。
「末期の言葉など不要!んじゃ、燃やしまーーす!!!」
男は戦々恐々とした絶叫を撒き散らす生贄を篝火の中へと放り投げた。瞬間、赤き炎が生贄の肉と肌を焼き尽くし、絶叫は更なる苛烈さを増した。周囲の狂信者達は歓喜の渦に包まれていき、生贄と生活を共にしていた者達はとどまりを知らぬ絶望と涙で身を捻った。
エルフの男は何ともいえぬ思いでそれを眺め、己を取り巻く環境に大きな疑問を抱いた。
(恐ろしき光景だ。これが俺が望んで入った場所なのか?)
男はわけも無く、西の窪地に控えている仲間らを思い起こしてしまった。彼らのためにも働かなければならないと分かってはいるのだが、疑問は彼の胸中に鬱積するばかりであった。
食糧を確保するという名目で盗賊団を二つに分け、それぞれ北と東に部隊を動かし、元衛兵のエルフである男はその一隊を率いる事となった。そして今、その道中にあった村を襲撃し、こうして蹂躙の祝宴を上げているのである。ここまで仲間が暴挙に出るのは、彼らがエルフではなく、人間であるからであろう。未開の土人であるエルフを暴虐の嵐に巻き込む楽しみをしった彼らとは反対に、数少なきエルフの仲間は篝火とは遠き天幕の方へと移っていた。
このような鬼畜外道をまだ率いなければならないのかと悲嘆に暮れていた男の下に、一人の男が慌てた様子で駆け寄ってきた。
「おいっ、棟梁はどこだっ!?」
「此処に居るぞ。何があった?」
「東の方で、エルフの斥候を発見した!間違いなく賢人共の
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