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王道を走れば:幻想にて
第四章、その7の2:丘の野戦 ※エロ注意
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!初陣にしては中々だ!!」

 慧卓はそう言われて一瞬呆け、はっとした様子で理解した。言われてみれば彼にとって、軍と軍とがぶつかり合う戦場というのはこれが初めての経験であったのだ。
 血の匂いで利かなくなった鼻を鳴らし、顔にまで跳ねた返り血を指で拭う。戦況は既に掃討戦の様相を呈していた。多くの者達は逃げ場を失って決死の抵抗を試みるか、或いは助命を乞うように武器を捨てていた。しかしそれらは容赦されず、他の者達と同様に大地の肥やしとなるべく切伏せられていた。
 アリッサは、丘を越えて逃げていく一部の兵を見る。彼らは戦渦から逃げて、蹂躙をした村まで逃げ込むであろう。

「・・・残るは村に篭る者達の殲滅なのだが・・・果たしてうまくいくかな」
「・・・分かりません。一先ずは、敵の残存数を把握しないと」
「ああ。だがそれりももっと先に、残る奴等を切伏せねばならん。まだいけるな?」
「ええっ、付いていきます!」

 二人は馬を揃えて、再び追撃の刃を振るいに賭けていく。高揚していく士気と合わさって、掃討戦はものの数時間もしない内に終了した。五百名近い賊が蹂躙され、皆、永久に眠る事となった。而して一部逃走した百名近くの賊は、再び村へと退避する事が出来たのである。
 エルフ軍が戦場の始末をした後、賊が立て篭もる村を包囲できたのは、それから三日後の事であった。


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