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王道を走れば:幻想にて
第四章、その7の2:丘の野戦 ※エロ注意
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 幾重にも張り巡らされた松明の炎が、村のそぞろとした様子を明るく照らした。打ち崩された木壁や焼け落ちた家屋が村の外延部に集中する一方で、内側では形を保った多くの家屋がある。村の中央では大きな篝火が焚かれており、多くの者達がそこに集って今宵の杯を捧げ合い、快活な笑みを零しあっていた。口に出されるのは品性の無い冗談や、血肉が寒々とするような倫理の欠けた思い出話であり、男らの粗野な格好に相応しい言葉であった。
 その下卑た顔つきを格好をした者達に囲まれながら、僅かな者達が震えながら集っている。一様に縄で足首と手首を縛られ、乱雑に地面に放り捨てられている。それに向けて時折杯や食事を喰らう者達が、屠殺される直前の鶏を見るような穏やかな瞳で見遣っていた。今宵の客人と捉えるよりかは、今宵の獲物と見る方が正しかった。

「・・・おい、まだあいつらはあそこにいるのか?」
「居るんじゃねぇの?いい女がいたしよ」
「そうか・・・ちょっと様子を見てくる」

 一人の男が人の群れから離れていく。壮年のエルフの男である。彼は厳しき表情を崩さず、夜の帳が降りた家屋の間を歩き、一軒の粗末な倉庫に辿り着く。どんどんと、無遠慮に薄汚れた戸を叩いた。

「おい!入るぞ」
『あぁやっべ・・・絞まりいいわぁ』

 返事は呻き声となって帰ってきた。男は苛立たしげに溜息を吐きながら戸を開ける。噎せ返るような性交の匂いが鼻を突いた。余りの凄まじさに顔を歪めるも、男は我慢をして戸を閉める。
 薄暗き倉庫の中は惨憺たる様相を展開していた。幾人もの男達がそれぞれ裸体の女を組み伏せ、四つん這いにし、或いは横に倒しながら、衣服を剥ぎ取った己の腰を振りたくっている。猥雑な水音と肉がぶつかり合う音が、それが陵辱の光景だという事を何よりも深く語っている。勝者が得るは快楽であり、敗者が得るは屈辱であった。その敗者でさえ喘ぎ声を碌に漏らせず、身体の鳴動のままに無抵抗に嬲られ続けている。一様に瞳に光を無くして、一部の者の半開きの口からは唾液交じりの精子が毀れていた。
 これらの蹂躙は相当の激しさを伴ったのであろう。使い物とならなくなった女達、年は上から四十、下は十を僅かに越えた者達が体液に塗れながら、ピクリともしない様子で壁に寄り掛かっている。一方的な蹂躙と精の奔騰を前にして、事切れたかのようであった。しかし彼女達をして幸運だったのは、最初の反応こそ男達の獣欲をそそるような背徳的なものであったのだが、この世のものとは思えぬ現実を前にしてすぐさま脳が現実を拒絶した事であった。御蔭で数十分の輪姦も耐え切れず、人形のように精神を閉ざしたのである。今嬲られているのは割かし体力が持つ者、或いは既に無き希望に何時までも縋る純真な者達であった。
 壮年の男は近場で陵辱を行っている一人の人間の男を、さも他者の
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