第十三話
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「咲夜……さん……」
「どうして……どうして……ここに……」
咲夜も無意識にそう呟いていた。
俊司はすぐさまスペルカードの効果を止める。このままいくと恐怖の感情に乗っ取られ、どうなってしまうかわからない。
恐怖に奪われていた思考が徐々に回復し、少しずつ余裕が出てくる。だが、いくら考えても打開策など見つかるはずもなかった。
「……あと5秒」
「まってくれ!わかったから……」
俊司はそう言って、すぐ近くにいた兵士にハンドガンとスペルカードを差し出した。
兵士はそれを受け取ると、脅威がなくなって安心したのか、銃を使って俊司に命令を出す。俊司はそれにはむかうことなく、歩き出した。
「悪いな……これ以上暴れてもらうと困るんでな」
「わかってます。こうなることは……見えてましたから」
「潔いな……行くぞ」
男は周囲の兵士に命令を出しながら歩き始める。俊司と咲夜は何もできないまま、彼らについていくしかなかった。
「はあ……はあ……ここまでくれば……」
5分ほど走り続けた妖夢は、背後を振り返りそう言った。
妖夢たちはなんとか森の中を脱出し、ちょっとした平原のような場所に出ていた。周りを見渡しても革命軍の姿は見えない。
俊司のおかげともあってなんとか逃げ切れたようだった。
「逃げ切れたわね……それにしても……」
「何も……聞こえないんだぜ……」
走っている最中、妖夢たちは背後から聞こえてくる爆音のような発砲音を聞きとっていた。だが、今は何も聞こえることなく、たまに鳥の鳴き声や木々のさえずりしか聞こえない。
「レミィ……どうなの?」
「……」
レミリアは何も言うことなく首を横に振った。
「そんな……俊司さん……」
「……でも死んだわけじゃないわ……あいつらに捕まっただけ」
「咲夜さんは……どうなんですか?」
「咲夜も一緒よ……」
「そう……ですか……」
俊司が捕まることはわかっていた。でも、もしかしたら奇跡が起こるのでは、あるいは俊司もうまく逃げることができたのではと、心の隅で期待していた自分もいた。
それゆえに……心のダメージは大きかった。
永遠亭
俊司からの連絡を受けたあと、文と椛は急いで永遠亭に戻ってきていた。
「紫さん!!」
文は部屋に入るなりそう叫んだ。
「あら……どうかしたのかしら?」
「俊司さんが……紅魔館で襲撃をうけて……連絡が……」
「!? すぐ向かいましょう!場所は?」
「それが……検
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