紅の王〜
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「・・・」
ここは・・・?辺りは夕暮れで・・・足元に分厚い透明の板があるだけ・・・辺りを見渡すと・・・咲が座ってた。
「咲・・・?」
「亮か」
「ここは・・・」
「さあな・・・確かに茅場のHPが無くなったんは確認して・・・俺の意識も無くなって・・・さーて、賭けは上手く行くかな」
「賭け?」
「ああ・・・っと」
咲が俺の背後を睨む。振り返ると・・・白衣を着た男がいた。
「茅場・・・」
「なかなかに絶景だな」
「アレのことか?」
咲が指差した先にあるのは・・・鉄の城、アインクラッド。それは下層から段々崩れていっていた。
「・・・アレはどういうことだ?」
「比喩的表現・・・と言うべきかな」
茅場が言うには今、SAOのデータの全消去を行っているらしい。そして生存者も全てログアウトに完了したそうだ。
「なあ、茅場。俺がここに、亮といるって事は賭けは成功か?」
「・・・」
「ああ、そうだ。賭けって・・・」
「簡単だよ。ナーヴギアが脳を焼く前にクリアする」
「それ・・・」
「どんなに優れてても死亡判定からでもラグはあるからな。その間にクリアすれば焼かれる前にログアウトできるかな・・・っと思ったんだが?」
「ふ・・・その推理はともかく、君は生きているよ、咲君」
「そか。なら帰ったらやる事はお姉ちゃんと詠に平謝りだな」
「茅場・・・俺は聞きたいんだけど」
「何かな?」
「思春と話して夢が鮮明になった・・・って言ってたけど、あんたの夢って・・・?こんなことをする程の・・・」
「そうだな・・・私も長い間忘れていたよ。フルダイブ環境システム・・・いや、それよりずっと前から私はあらゆる枠や法則を超越した世界を創り出すことだけを欲して生きてきた・・・そして、それを知ることが出来た・・・」
「・・・」
「子供は次から次へと色々な夢想をするだろう。空に浮かぶ鉄の城の空想な私が取り付かれたのは何歳の頃だったかな・・・その城に行きたい・・・長い、長い間、それが私の唯一の欲求だった。私はね、亮君。まだ信じているのだよーーーどこか別の世界には本当にあの城が存在するのだとーーー・・・」
「あるさ。人の想像の数だけ外史は生まれる。きっとあんたの城も・・・何処かに」
そこでふと俺は思い出した。一番聞かなくてはならないことを。
「そうだ・・・!」
「甘寧君の事だろう?」
「そうだ・・・思春は!」
「彼女も先程“ログアウト”したよ」
「え・・・?」
「・・・何年前の話だったか。彼女は道端に倒れていた。私の興味を引いたのは彼女の持つ独特の空気だ
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