Episode10:シルバーの正体とコピペ
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以下、中条先輩の説明が長いので割愛。の、上、俺が簡単に説明しよう。
従来のCADでは、起動式は一度使用すると、同じ起動式でも再度読み込まなければいけない『使い捨て』のようなものだった。それに不便だな、という声があり、そして、それを改善するためにトーラス・シルバーが開発したのが、『ループ・キャスト・システム』だ。
起動式の最終段階に、同じ起動式を魔法演算領域に複写コピーする処理を付け加えることで、その魔法師の演算キャパシティが許す限り、何度でも起動式の複写とコピー、即ち、同一の魔法を発動することができるようにした機能。
つまりは、一つの『振動の基礎単一系魔法』の起動式をコピーして、その最終段階に、コピーした『振動の基礎単一系魔法』の起動式を、魔法発動の演算をする魔法演算領域にペーストする。
所謂、『コピー&ペースト』略してコピペが、『ループ・キャスト・システム』の正体なのだ。
まあ、サイオンそのものをパパッと改変しちゃう俺には関係ないんだけどね。
と、まあ、ループ・キャスト・システムを搭載しているのが、おそらく達也の持っている、及び制作した『シルバー・ホーン』なのだろう。
「あれ?でもループ・キャストは全く同じ魔法を連続発動するシステムですよね?『異なる三つの波』は振動数や波長が変わってくるはずです。そのために起動式も微妙に違ってくるはずですよね。だったら、ループ・キャストだけじゃあ瞬間的な連続発動は無理なんじゃないですか?」
中条先輩の長々とした説明の終了を見計らって俺がそう言うと、生徒会長がウンウンと頷いていた。それに、市原先輩も俺と揃って首を傾げた。
「ええ、その通りです。振動数を定義する部分を変数にしておけば同じ起動式で『波の合成』に必要な、振動数の異なる波動を連続で作ることもできるでしょうけど、座標・強度・持続時間に加えて、振動数まで変数化するとなると………まさか、それを実行しているのですか?」
思わす驚愕に言葉を失った市原先輩の視線に、達也は軽く、肩を竦めた。
「多数変化は処理能力としても演算規模としても干渉強度としても評価されない項目ですからね」
なるほどねえ。シニカルな達也の答えに、俺は納得の笑みを浮かべた。
普通、魔法の発動のためにはCADから起動式を読み込み、それを魔法演算領域に送る。そしてその魔法演算領域にて起動式と変数が合わさって魔法式が作られる。その出来上がった魔法式を、無意識の最上層にして意識の最下層たる『ルート』に転送、意識と無意識の狭間に存在する『ゲート』から魔法式をイデアに出力。イデアに出力された魔法式は、指定された座標のエイドスに干渉し、これを書き換える。というのが、魔法発動のプロセスだ。
さて、今回問題なのは、『CADから
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