真の姿
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蹴り開けた。
飛び出して出てきた場所は苔むした石のテラスだった。勢いを翅を使ってうまく和らげて着地する。そして視界の先には積層都市の夜景が広がっていた。そして、その奥に一際大きな存在感を感じさせる樹を見てゲツガは呟いた。
「あれが……世界樹か」
そういった後リーファがゲツガの隣まで来て言った。
「間違いないよ。ここがALOの中心、アルンだよ。この世界最大の都市」
「ああ、間違いない」
そう言うとキリトが言った。
「ようやく着いたんだな……」
そして、ユイがキリトの胸ポケットから顔を出して笑みを浮かべる。
「わあ……!わたし、こんなに人がいる場所、初めてです!」
そして、あたりを見回していると、パイプオルガンのような重厚なサウンドが大音量で響き渡り、空に目を向けた。その後、ソフトな女性の声がメンテナンスをすることを告げた。
「メンテナンスが始めるみたいだから、今日はここまでだね。一応宿屋でログアウトしよ」
ゲツガとキリトは頷く。その後キリトはリーファに聞いた。
「メンテってのは、何時まで?」
「今日の午後三時までだよ」
「そうか……」
そしてゲツガは一度世界樹に視線を向けた。そして視線を戻してリーファに言った。
「さ、早く宿屋に入ってログアウトしようぜ」
「賛成。でも、俺もう素寒貧だから、あんま豪華じゃないところがいいな」
「……いいカッコして、サクヤたちに全財産渡したりするからよ。宿屋代くらいとっておきなさいよね!」
リーファはそう言うとキリトの胸ポケットにいるユイに話しかけた。
「パパはああ言ってるけど、近くに安い宿ある?」
ユイはしばらくゲツガと同じように世界樹に視線を向けていたようでリーファの方を向いて笑顔を浮かべ答えた。
「ええ、あっちに降りたところに激安があるみたいです!」
「げ、激安かぁ……」
リーファは顔を引きつらせるとユイが言った。
「それか、お兄ちゃんに奢ってもらって普通の宿に泊まるかです」
「そういえば、ゲツガ君もお金持ってるって言ってたよね?もしかしてキリト君ぐらい持ってるの?」
そう言ってリーファは詰め寄ってくる。
「あるはずないだろ。俺はそこまでお金を持ってないやつから譲ってもらったからな。ユイも余計なことは言わんでいい」
「はいです!」
ユイは敬礼してからそう言った。そしてキリトとともに激安の宿に向けて足を進ませる。そして最後に世界樹に視線を向けた。
『あの、上に手がかりが……』
「おーい、ゲツガ君。早く行くよ〜」
リーファに呼ばれていたのに気付いたゲツガは、今行くといって歩き始めた。
◆◇
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