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真の姿
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ルコニー。それはトンキーの飛行経路を掠める位置にあった。飛び移ることは可能だろう。そしてもう一つは、天蓋近くから垂れ下がる階段を刻まれた一つの根っこ。それは天蓋をも貫いてこの上にあるアルンに繋がっているだろう。この氷柱に飛び移るならもう、上にはいけないと思う。ゲツガは今の目的を優先して残ることに決めた。そして、キリトたちを見ると視線をバルコニーと天蓋を交互に見ていた。残り時間も少なくなってきたころ、ゲツガは二人に向かって言った。

「今はやめておいたほうがいいぞ。この人数と装備じゃ取りに行くのは難しいと思う」

「……わかってる。だけど、ネットゲーマーはああいうの見ると、つい行きたくなっちゃう衝動がさ……」

「うーん、確かにね」

 そして、バルコニーの前に付くと二人はピクンと身体を動かしたが飛び移ることはなかった。

「ゲツガ君の言う通り、今回は諦めよ。そして、また来よ。仲間をいっぱい連れてきて」

「確かにな……。ああ、でも、行ってみたかったな〜」

「あー、もう!未練たらしすぎだよ!!」

 ゲツガは苦笑しながら遠ざかるバルコニーを見る。聖剣エクスキャリバーか……俺にはあわないと思うけど、冒険する分は構わないなと思った。そして、天蓋から垂れ下がる階段に辿り着くとトンキーは長い鼻を階段近くの根っこに巻きつけて停止した。ゲツガは立ち上がり階段に飛び移る。そしてリーファ、キリトも飛び移るとトンキーは鼻を解いて鼻をこちらに伸ばす。リーファはそれを握って言った。

「……また来るからね、トンキー。それまで元気でね。もう他の邪神にいじめられたら駄目だよ」

 そして手を離すと今度はゲツガが握る。その後にキリト。最後にユイと握る。

「またいっぱいお話しましょうね、トンキーさん」

 ユイが微笑みながら言った言葉に反応してかトンキーはふるるると喉声を出した。その後、翼を折りたたんでものすごい勢いで下降して行ってしまった。

 ゲツガはトンキーを最後まで見送って言った。

「じゃあ、行こうぜ。この上に」

「うん!多分、この上はもうあるんだと思う!!」

「よし、じゃあ最後のひとっ走りと行くか。……なあ、二人とも。上に戻っても、聖剣を見つけたことはナイショにしとこうぜ」

「あーもう、なんか大事なものが台無しになったよ……」

「確かに。まあナイショにはしておくから別にいいだろ。はやく上行くぞ」

 そう言ってゲツガは階段を登っていく。最初は二段飛ばしで行ったがそれでもまだ先は長いためゲツガは五段を一気に飛ばして駆け上がった。数十分はかかっただろうか、ようやく目の前に小さな光が見えてきた。そして後ろにいるキリトとリーファと顔をあわせて無言で頷く。そしてゲツガ達はさらにスピードを速めて木の扉を
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