第24話 夢魔が飛び、魔猫が舞う(1)
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、それじゃなくて」と前置きをした後、
「……楽しい、うぅん、懐かしいから。アリサ、なのはに、ユーノ。それに、すずか。みんなとご飯を食べて、こうやって寝て。本当に、懐かしい」
本当に楽しくてたまらないのを隠さないまま、彼女たちに聞えるくらいの小さな声でそういった。
「それは……確かにこういうのって楽しいけど。懐かしい?」
「ん…、前の事。旅行はしなかったけど、いつもみんなでいたから。こんなこと、ホントに久しぶり」
嬉しそうにそう言う純吾。彼の言う“前”がいつの事なのか? 崩壊での事ではないだろうから、恐らくそれはそれ以前の平和だった時の話なのだろう。
少しでも、彼が前の時のことを思い出して笑えるのであれば、それは“もう一度一緒に頑張ろう”と約束し合った彼女たちにとっては心嬉しくなる事で、
「…まぁ、純吾君が楽しいって言ってくれるんだったら、私も恥ずかしい思いしたかいがあったよ」
真っ赤な頬をして、若干涙目のすずかがふてくされた様子で、その実嬉しさを押し殺しながら、そう言って純吾に答えた。
そしてそれ以上冷やかされない様に、「明日も楽しい事がきっとあるからっ」と言って、年少組だけのひそひそ話を終わらせるのだった。
眠っていたなのはとユーノに、ジュエルシードが発動した波が伝わってきたのは夜遅く、月が天頂から傾きつつある時だった。
突然体全体に弱い電流が走るかのような感覚に上半身を飛びあがらせなのはは起きる。
(…ユーノ君っ!)
(うん。間違いない、ジュエルシードだ。しかも、かなり近い)
素早く念話で確認し合い、辺りを見回す。障子越しの、鈍い月明かりのみで照らされたうす暗い室内。その中には部屋の端に寄せられた調度品と、話しやすいようにと、頭を突き合わせるように十の字のようにしかれている布団で眠る親友たちしかいない。
親友の顔を見る。横を向いて静かに眠るすずかに、幸せな夢を見ているのだろうか、仰向けになり若干頬が緩んだ顔をしているアリサ。
そして首だけをこちらにごろりと向け、切れ長の目を限界まで開けている純吾――
「………ひぅっ!」
驚きのあまり体を硬直させつつも、叫び声をあげそうになる口をなのはは必死に抑える。そんななのはの必死の努力を尻目に、むっくりと純吾が上半身を起き上がらせた。
「じゅ、純吾君、いつの間に起きてたのっ」
「ん…。なのはとユーノ、起きたのと一緒だよ?」
「いきなりだから、ちょっと驚いた」と目を擦りながら、なのはの詰問に何事もないかのように純吾は答えた。
「いやいや。だってさっきまで、ぐっすり眠ってたんだよ、普通気が付けないでしょ」
「ん…、【ハーモナイザー】は、悪魔の力を使えるア
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