第6話
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我が本気であることを伝えるための作戦なのだ!失敗は許されん!)
悠斗が我の髪を撫でる。悠斗のゴツゴツした左手がそっと我の髪を撫でてくれる。
(ああ。悠斗の手は落ち着くな。悠斗は紋白は割りと撫でるくせに、我を撫でてはくれんからな)
悠斗を見て見ると、互いの視線が重なった。互いの距離は本の僅かしか開いてない。息がかかる程の距離だ。
(悠斗はまさか、我の唇にキスをしてくれるのか!?そ、想定外ではないか!)
我は最早、今まで考えていた対処の仕方など既に頭に無かった。ただ、悠斗の唇に視線が集中してしまったのだ。
そして、悠斗の唇が近付いて来る。
我は目を閉じて悠斗の唇が重なるのを待つ。
だが、我が悠斗の唇が触れたと感じたのは、唇では無く額のキズであった。目を開けて見ると、悠斗が我の額のキズに忠誠のキスをしていたのだ。 悠斗の暖かさを額に感じる。
(ああ。悠斗め!我を期待させておいて、わざと外したのだな!なら、考えがある!)
乙女の心を弄だ代償を払ってもらうと、我は心の中で決めた。やがて、悠斗は離れ我の正面で方膝を着いた。
「ふーん。額か。また、面白い場所だな。何故、悠斗は揚羽の額に忠誠のキスをしたんだ?」
「理由ですか?単純ですが揚羽様の額のキズはわざと付けられたものです。 普通の者ならキズを嫌がりして隠したりします。ですが、揚羽様はそれを気にせず堂々とされています。そんな揚羽様だからこそ、俺は仕えたいと思ったのです。たかが、キズごとき気にする必要すら無いと。其れ故、揚羽様の外見的不利になりえるキズに忠誠のキスをしたのです。そんな、キズなど気にせず、真っ直ぐに進んで行く揚羽様を側で見ていきたいと思ったからです。それが、理由です」
「そうか。悠斗なりの考えがあったのだな」
そう言って森羅殿は、紅茶を飲む。我は、今、悠斗に言われた事が頭の中で繰り返されている。
(側で見ていきたい。側で見ていきたい。側で見ていきたい。ふははは!既に我と悠斗は相思相愛だったのではないか!ならば、我からも言わねばな!)
我は頬が緩むのをなんとか抑える。そして、方膝を着いて忠誠を誓うポーズをしている悠斗を見る。
「悠斗。貴様の忠誠は良く伝わった。故に我から褒美を取らせたい」
「は!ありがたき幸せです。揚羽様に忠義が伝わり良かったと思います」
「悠斗。我の側に寄るのだ」
「は?はい!」
悠斗を手招きする。悠斗は立ち上がり我の側に来た。我の側で再び片膝を着いた。高さが我の座ってる位置とほぼ同じ位になった。
我は手を伸ばし、悠斗の後ろ頭を抱き締めて我の顔に近付ける。
「あ、揚」
何か言おうとした悠斗の唇を奪う。我の唇と悠斗の唇が重なりあう。
ただ、互いの唇が重なりあうだけの
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