第6話
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所を保護されてな。そのあと目が覚めてから手合わせして勝って以来、揚羽様専属執事になったのさ。実際、小十郎の方が遥かに先輩なんだが、何故か俺が上の立場になってしまったのさ」
「へえ〜、そうだったのか。てっきり、昔から居るのかと思ってたからさ」
「うん。錬君の言う通りだね。僕も昔から居るのかと思ってた」
二人とも頷きならがそう言う。そんなに古くからいるように見えるのだろうか?
そんな、何気ない話をしていると森羅様が話を始めた。
「そう言えば、揚羽は忠誠の儀式を侍従にさせたりしてはいるのか?」
「む?森羅殿。初めて聞きましたが、忠誠の儀式とは何ですか?」
「ふむ。九鬼家ではさせてないのか。まあ、簡単に言えば使用人達に忠誠があるか、試す簡単なゲームみたいなものだ。試しにしてみよう。ベニ。忠誠の証を」
「はい。森羅様!手を失礼します」
先程まで、森羅様のお側で待機していた朱子が森羅様の左手の甲にそっと、唇を当てた。そして、すぐに離してまた側で待機する。
(ふむ。昔の騎士の真似事かな?まあ、ゲームみたいなものと言っていたしな。これは、単なる遊びの一種なのだろう)
俺は揚羽様の後ろで待機しながら、そんな事を考える。先程までいた、錬と南斗星はそれぞれの主の側で待機している。
「と、言った感じだな。ものは試しだ、やらせてみたらどうだ?」
「そうね。揚羽の侍従にも、やらせてみると面白いかも知れないわよ」
「あんまり深く考えないでやらせてみるのが、吉だよ揚羽ちゃん」
腕を組み考える揚羽様。少しして、口を開いた。
「久遠寺家の方々にこれだけ言われたのだ。我もしてみるとしよう。ゆ「はい!揚羽様ああああ!この小十郎に是非ともやらせてくださいませえええ!」チッ!小十郎か。まあよい。まずは、小十郎からしてみせい」
先程まで倒れていた小十郎が復活して、即座に揚羽様の正面に立つ。てか、今、揚羽様が舌打ちしたような気がしたのだが?聞き間違いだろうか?
「あ、揚羽様!て、て、手を、し、失礼します」
「うむ。苦しゅうない。良きに計らえ」
小十郎が揚羽様の右手を両手で持ち上げて、ゆっくりと顔を近付けて行く。
(揚羽様の手!揚羽様の美しい手!揚羽様の美白の手!)
だが、忠誠のキスをするはずなのに途中で小十郎の顔が止まってしまった。しかも、中腰のままでだ。
「どうした小十郎?早くせんか?」
揚羽様の問いかけに反応しない小十郎。なにやらブツブツ言っているのが聞こえる。
「揚羽様の手にキス!揚羽様の手にキス!」
「ええい!気色悪いは!バカ者が!」
「も、申し訳ございません!揚羽様あああああああ!」
小十郎の呟きを聞いた揚羽様が切れた。アッパーで打ち
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