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八条学園怪異譚
第二十一話 ランナーその八
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「いいわね、問題はね」
「泉よね」
「果たして今度こそ泉なのか」
「それでそこは何処なのか」
「そのことよね」
「そう、気合入れて探してね」
 花子さんも二人の背中を声で押す、二人もその言葉を受け取った。
 そのうえで助教授の後についていった、助教授は工業科の社会科の職員室に入った、そこはどういった場所かというと。
「ああ、旦那さんの職場ね」
「そうね、そこね」
 二人は勘からすぐにこう察した。
「愛する旦那さんの場所から出入りしてるのね」
「それでグラウンドにいるのね」
 二人はこう察した。
「そういうことなのね」
「つまりは」
「そういうことだね。職員室も異世界だからね」
 口裂け女は学校なら何処にでもあるその場所も異世界だと言う、そしてその理由はどういったものかというと。
「学校の主役は誰だい?」
「学校の主役?」
「っていうと」
「間違ってもあたし達じゃないね」
 口裂け女は妖怪や幽霊達、自分達のことを話した。
「それは違うね」
「住人だけれどね」
「主役じゃないっていうのね」
「主役はあんた達だよ」
 制服姿の愛実、そして聖花に対しての言葉だ。
「生徒なんだよ」
「つまり生徒のいる場所が学園」
「そういうことなのね」
「そう、つまり教室や廊下が普通の世界だとするよ」
 生徒の居場所、そこがだった。
「じゃあ職員室は何だい?先生のいる場所は」
「異世界」
「そうなるのね」
「そういうことだよ」
 こう話すのだった。
「生徒と先生ってのはそれぞれ違う存在なんだよ」
「同じ学校にいても」
「そういえば」
「いつも一緒にいるけれどね」
 だがそれでもだというのだ。
「先生はまあ一方の主役かも知れないけれど」
「職員室は学園の中では生徒の世界じゃない」
「そうなのね」
「そう、先生の世界だからね」
 ここで分かれるというのだ。
「つまり職員室自体がって可能性があるね」
「そういうことね」
「つまりは」
「そう、じゃあいいわね」
 また言う口裂け女だった、ここでも二人の背を言葉で押すことになっていた。
 二人もそれを受けて職員室に入った、助教授の後に続いて。
 だがそこはごく普通の職員室だった、何も変わりはない。
 それで二人は顔を見合わせて夜の誰もいない職員室を見回してそのうえで残念さを顔に浮き上がらせて言うのだった。
「今回も違ったわね」
「そうね」
 残念ではあるがある程度慣れているという雰囲気もあった。
 それで二人共すぐに表情を戻してこう言い合った。
「じゃあ次ね」
「次の場所に行きましょう」
「強いね、あんた達」
「タフね」
「タフじゃないと生きられないからね」 
「それにもう慣れたから」
 だからそれ程落ち込まずしか
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