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ヘタリア大帝国
TURN60 義兄と義妹その一
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洋軍に入ったわ」
 他の人材もそうなっていた。
「精兵達もよ。もう幾ら艦艇があっても」
「大丈夫だ。私には切り札がある」
「その通りです」
 大統領の右側に控えていた白衣の男が来た。あらためて大統領補佐官に任命されたマンハッタンである。
「私のあの開発したシステムがあれば」
「私一人でも太平洋軍に勝てるのよ」
「軍歴のない貴方が!?」
「そうだ」
 その通りだと、ルースはハンナに余裕の顔で返す。
「私だけで彼等を倒してみせよう」
「だからこのワシントンに戦力を集中させているというのね」
「これでわかったかね?」
「わからないわ。そんなこと出来る筈がないわ」
 ハンナはいぶかしむ顔でルースにさらに言う。
「若しあっても急に開発したシステム、どんな不確実要素があっても」
「ミスター、もう止めなよ」
 アメリカ妹も必死の顔でルースに忠告する。
「今ガメリカがまともに太平洋軍から守れるのはワシントンだけだよ」
「だからワシントンに敵を引き付けて一気に戦うのだよ」
「そんなのもう不可能だよ。そもそも兄貴が講和を宣言してるんだよ」 
 ガメリカそのものと言っていいアメリカがだというのだ。
「国民だってそれを聞いて一気に講和に傾いてるしシカゴ、テキサス、ニューヨークの防衛艦隊からどんどん投降者が出ているんだ」
「彼等は勝てば戻るさ」
「この状況でどうやって勝つっていうんだよ」
「見ていたまえ」
 ルース、そしてマンハッタンだけが余裕の顔だ。
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