第二幕その五
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化した。そして読み続ける。
「この者悪魔に唆され誘惑と非法を以って修道院を乱そうとし、逃走した。この者は今リトアニアへの国境に向かっている」
(ここからだな)
グリゴーリィは頭の中で考えた。
(さて)
「続きは?」
「はい」
彼はまた読みはじめた。
「この者を」
「縛り首に処すと書いているだろう」
「いいえ」
だがグリゴーリィは首を横に振った。
「そんなことは書いていませんが」
「嘘をつけ!」
だが役人はそれを聞いて怒った。
「絶対書いてある筈だ」
「はい」
まずはそれに頷いてから答えた。
「書いてありました」
「そうだろう」
「縛り首に処す」
彼は読むことを再開した。
「この男」
読みながらワルアラームをチラリと見る。
「今年で五十になり」
「五十か」
役人はそれを聞いて呟く。
「わし等と大体同じだな」
「うむ」
ワルアラームとミサイールも頷き合う。グリゴーリィはそれを聞いてしめた、と思った。
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