第2試合
【第2試合】 VSノワールプペ(7)
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暗塊が消え去り、キン肉マンルージュの姿があらわになる。そしてキン肉マンルージュの姿を見たミーノは、ひどく悲しい気持ちにさせたれた。
リングの真ん中に立っている、ふらふらのキン肉マンルージュ。
全身は汗でびっしょりに濡れている。まるでバケツの水を何度も被ったかのような、水滴が滴り落ちるほどの濡れっぷりであった。そして足元には汗の水溜りが出来ている。
コスチュームは様々な場所が切り刻まれ、もはや半裸とも言えるほどに肌が露出している。見る者の方が羞恥の気持ちにさいなまれてしまうような、悩ましくも怪しい、妖艶な雰囲気さえ漂う、ひどい乱れようである。
キン肉マンルージュの姿を見た観客達は、全員が全員、言葉を失ってしまった。そして心に、ある言葉が浮かび上がった。
“無残”
あまりにも残酷……直接的な肉弾戦とは違い、ひどく間接的で陰惨な、とても悪魔らしい攻撃である。
静まりかえる会場……そんな中、真・悪魔将軍プペはコーナーポストの先端で、あぐらをかいて座っていた。
「プペプペプペプペプペッ! ションベンガキ超人よ! 貴様の無様で淫靡ったらしい姿を見て、観客達がひいてしまったぞ? 目立ちたがりのキン肉マンファミリーの一員として、こういった雰囲気はよろしくないのではないか?」
キン肉マンルージュは真・悪魔将軍プペの方に振り返ることもせずに、その場で口を開いた。
そしてキン肉マンルージュは拳を握りながら両腕を開き、胸を張り、身を反らせ、空に向かって吠え上げる。
「……への……つ、つっぱりは……ご遠慮願いマッスルぅぅぅうううッ!」
「プペプペプペプペプペッ! 意地の咆哮か? それとも断末魔か? どちらにせよ、燃えカスとなったションベンガキ超人には、きちんと破滅の九所封じをかけて、完膚無きまでに滅ぼしてくれようぞ」
真・悪魔将軍プペはリング上に着地し、ゆっくりとした歩みでキン肉マンルージュに近寄っていく。
「……マリ様……きっとこんな絶望的な状況でも……マリ様はキン肉マンルージュ様を信じて……だからこそずっとずっと、見守り続けて……でも……ミーノだって信じていますですぅ、キン肉マンルージュ様のことを……でも……それでも……ミーノには無理なのですぅ! 見守るだけなんて、出来ないのですぅ! このままでは、キン肉マンルージュ様が死んでしまうのですぅ! ミーノにはキン肉マンルージュ様を見殺しにするなんて、絶対に出来ないのですぅ!」
ミーノは涙を流しながら、リングをバンバンと叩く。
「キン肉マンルージュ様ぁ! 変身を解くのですぅ! キャンセレイションするのですぅ! そうすれば、受けたダメージは無くなりますぅ!」
キン肉マンルージュは動かない身体を無理やりに動かし、ミーノの方へと向き直る。
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