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ファイアーエムブレム〜ユグドラル動乱時代に転生〜【外伝】
23.1話
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「かたじけない、では異界の戦士ユーキどの、おぬしの望みはなにかの?」
「ありすぎて言い表せないほどです。それに覗かれたのならご存知のはず……」
「口に出して言いたいほどの望みと言われては?」
「……こんなの賢者さまからすれば愚かだと思われて仕方ないでしょうけれど、俺をこんな目に遭わせている原因の女神というかなんというかふざけた女が居るんです。 トラキアって所である夜、勢いってだけじゃあないんですが……結ばれてしまって、これから大事にしてやろうって思ってたら攫われてしまったんです」
後半の話になるにつれ羞恥心と、あのときのいろいろな感情で顔が熱くなった。
「把握しておる」
「ならば話が早い。アイツを取り戻すというかなんというか、それが出来ないなら手がかりだけでも掴みたいんです。」
「もうすこし詳しく覗かせてもらってもよいかの?」
「……はい」
賢者ハルクは俺の額に手を触れると、難しい顔をして目を瞑った。
「ユーキどのの想い人は、地の底にて閉じ込められておる」
「地の底?」
「おぬしに分かりやすい言葉なら、地獄じゃな」
「そんな!アイツはそんな何か悪いことしたわけじゃないでしょう!そりゃ俺をいつもからかって弄って……でも地獄に落とされるまでの非道なことはしてない!」
「おぬしの想い人の上役の意向だな」
「……上役、あのときアイツを連れ去って行った片目の男ですか……」
「儂から言えるのは、まずはこれから戻る世界で為すべきことを為せ。そして、渡したつるぎにはおぬし以外の使い手が居る」
「ありがとうございます。……地獄ならば、俺が死んだら行く場所でしょうからいい手がかりになりました」
「……儂の言ったことお忘れなく、そして、死者が地獄や天界に訪れても無力になる。覚えておかれよ」
「……生きたまま地獄へ行く手段を探せと?」
「さて、その件について儂から伝えられるのはそこまで」
「はい、大変参考になりました。ありがとうございます」
「では、そろそろ戻られよ。おお、忘れておった、これもお受け取りなさい」
大賢者ハルクは俺に指輪を一つ手渡した
「あの盗賊は一つだけ良い事を言った。モノは使われてナンボ……でしたかな?ということでアヤツがこっそりくすねたものを没収し、あなたに授けることにした」
「いえ、助けていただいた上にそのようなものいただけません! それにアイツの情報だけでも……」
気が付くと俺は迷いの森の外側に居た。
右手にはいつのまにか指輪が握らされており、左手に握っていた例の剣を俺は背中に背負った。
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