第十九話「ふはははは! 見ろ、人がゴミのようだ!」
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「『騎士』撃破」
上空を見上げれば、朱乃さんが相手をしていた『女王』の姿が。その顔には笑みが浮かんでいる。
朱乃さんも、木場をやったのも、この女が――、
「てめぇええええええええ!」
胸中を言いようのない怒りが占めた。再びブーステッドギアで力を増幅しようとする。
「イッセー」
いつの間にか背後にいたレイが俺の肩を掴んだ。
「――っ、止めるなレイ! あいつは俺が!」
「いいや、ここは僕にやらせて。イッセーはリアスちゃんの下に向かった方がいいよ。これでアタッカーがイッセーと小猫ちゃんだけになっちゃったからね」
「だけど!」
「判断を間違わないで、イッセー。いま君がやるべきことはリアスちゃんを守ることでしょ? 僕たちの敗北はリアスちゃんの敗北だからね。ここは僕に任せて先を行って」
「……わかった、お前に任せる!」
「任されたよ」
この場をレイに任せ部長の下に向かう。背後から爆音が響いたけど、レイなら大丈夫なはずだ。待っていてください、部長!
† † †
イッセーをこの場から逃がすと、ユーナベールちゃんが片手を翳した。それと同時にイッセーが爆破されそうになるが、
「させないよ」
もちろん、邪魔をする。
「またあなたね。いい加減、あなたにも退場してもらおうかしら」
ユーナベールちゃんが何かを言っているが、そんなことはどうでもいい。それよりも、僕が関心するのは、
「ねえ、朱乃お姉ちゃんをやったのは君?」
「朱乃お姉ちゃん……? ああ、『雷の巫女』のことね。ええ、それなら私よ。なかなか善戦したけど、私には今一つ及ばなかったわね」
「そっか」
これで決まったね。お姉ちゃんや木場くんが負けたからといって、別にユーナベールちゃんに恨みはない。憎んでもいない。これはゲームであり勝負なんだから負けたのはお姉ちゃんたちが弱かったから。
だけど、それでも――。
「なぁんか、スッキリしないんだよねぇ」
ポケットから小瓶を取り出す。
「何をするつもりか知らないけど、無駄よ。あなたじゃ私に勝てないわ」
「……」
僕は無言で小瓶の中身を呷った。サラッとした液体を嚥下する。
「イッセーとの約束もあるし、勝たせてもらうよー」
その言葉を区切りに、僕の体に変化が生じ始めた。
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