第十九話「ふはははは! 見ろ、人がゴミのようだ!」
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つの間にか縦ロールの女の子の隣に立っていた。
「なっ」
「いつの間に……」
絶句する縦ロールの女の子と、驚愕で目を見開くイザベラさん。
「お前、何時からそこにいたんだ!?」
俺がそう訊くと、いつものようにチュッパチャップスを口にくわえたレイはいけしゃあしゃあと答えた。
「ん? ずっと前からだけど? 実はステルスを掛けてイッセーの後をついていたのだー」
マジかよ……でもレイだしな。
「それで、君はなんで戦わないの?」
「そういうあなたは戦わないんですの?」
「んー、戦ってもいいけど、そんな雰囲気じゃないしねー」
「変な方……あなた、お名前は?」
「そういうのって自分から名乗るもんじゃないの? あれ、これって人間界だけの話なのかな……」
首を傾げるレイに女の子は小さく頷いた。
「確かに、人間界では名を聞いた者が先に名乗る習慣がありますわね。分かりました、では私から」
女の子はスカートの両端を掴むと優雅にお辞儀をする。
「私はレイヴェル・フェニックスですわ」
レイヴェル・フェニックス? フェニックスってことはあのライザーと縁がある者なのか?
訝しむ俺にイザベラさんが補足してくれた。
「彼女はライザーさまの妹君だ」
妹!? 身内も眷属に出来るんですか!? というか、妹と聞いて納得しちゃったよ! あの兄にしてこの妹というか、兄妹揃って傲慢なのね。
「んで、レイヴェルちゃんはなんで戦わないの?」
「レ、レイヴェルちゃん……ちゃんは止めてもらえます?」
「ん、ヤダ。それで?」
とりつく島もないレイに諦めたのか肩を落とした女の子――レイヴェルは気を取り直して顔を上げた。
「だって、戦う意味がないんですもの。いくら紅髪の滅殺姫(ルイン・プリンセス)』、『雷の巫女』、『魔剣創造(ソード・バース)』、そして『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』が居ても不死が相手では勝負になりませんわ。あなた方の相手は『不死鳥』。強大な力を持っていてもそれが通用しないのでは話になりませんもの。さらに私たちにはコレがありますわ」
レイヴェルが取り出したのは小瓶。中には液体が入っているようだった。
「いかなる傷も治す『フェニックスの涙』、これもある私たちが負けることは万に一つ――いえ、億に一つもありませんわ。ああ、卑怯だとは思わないでください。そちらには『聖母の微笑み』を持つ方がいらっしゃるでしょう? それにゲームのルール上にも『フェニックスの涙はゲームに参加する悪魔二名までしか所持できない』とありますし」
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