二十四話
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ーティファクトを手に入れるための仮契約の方法だが、昨今ではキスが一般的になっている。これは、昨今では魔法使いと従者の関係が恋人のそれと同視されている傾向からである。
明日菜も自分がネギと仮契約したときのことを思い出し、頬を朱に染める。
「ああ、ついこのあいだエヴァに言われてな」
一応師弟関係にある以上、命令には逆らえんさ。とネギは付け足す。
「そうなんだ。それにしても変装? が能力って、何だかしょぼいわね」
「自分たちのそれを基準に考えては困る。君達のそれはどれも間違いなく一級品だ。それに、これの本当の力は変装などでは無い」
「そうなの?」
「ああ。それより、そろそろ行くとしよう。時間は有限だからな」
自分のアーティファクトについて詳しく話すつもりは無いのか、ネギは早々に話しを切り上げる。明日菜もそれ以上追及することは無く、歩きだしたネギの隣に並び立った。
デートの練習とはいっても時間は限られており場所も学園内のみ。こう言われてはデートなど出来るのだろうか思うかもしれないがそこは心配いらない。マンモス学園である麻帆良は様々な店舗が存在しているし、今は学園祭に先駆けて出店を出している所もある。
明日菜とネギはそこここで食べ歩きをしながら射的等の出店を渡り歩いた。
「何でそんなに上手いのよ」
「昔取った杵柄という奴だ」
二人の手には射的でとった景品が抱えられているが、その数はネギの方が圧倒的に多い。明日菜も一般的に見れば相当なものなのだからネギの凄さが伺える。
「さて、そろそろいい時間だ。帰るとしようか」
「そうね。荷物もあることだし」
これが本当のデートなら夕食もこのまま取ったかもしれないが、あいにくとこれは練習。わざわざそこまですることはない。
二人は腕に射的の景品を抱えながら帰路へとつく。
「それで、タカミチに想いをつげることはできそうか?」
「うっ……ま、まあとりあえずは誘うことから始めないと」
「タカミチは忙しいからな。なるべく早くしておくことだ」
正直な所、ネギは明日菜の想いが成就するとは思っていない。それはタカミチの態度からくるもの。かつてはまるで妹の様に接しているかのようだと感じていたが、明日菜が魔法に関わってからというもの、その態度の中に何処か引け目の様なものを感じているようだった。
万が一、タカミチが明日菜の事を思っていたのだとしても、その引け目から断ることは想像に難くない。
「教師という立場からは応援できんが、個人としては応援しよう」
「うん。頑張ってみる」
だが、それでもネギは明日菜の背を押す。彼女が下した決断に水を差すのは無粋だし、何よりあたって砕けるというのも一つの
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