暁 〜小説投稿サイト〜
DQ4 導かれちゃった者達…(リュカ伝その3)
第2章:おてんば姫とチャラ王の冒険
第14話:起きたら考えるって言ったのに、先走ったお前等が悪い
[2/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
という物は、相手の立場になって物事を考えれば、相手が提示する条件の最低ラインが見えてくるんだ」
「相手の考え…お前はどう相手の考え方読み取ったんじゃ?」

「うん。今回の事件…事の発端は、この宿屋の愚かぶりが最たる原因だ!」
その宿屋のラウンジで、リュカは大声で言い切る。
聞いている宿屋の人々は俯きしょぼくれてる。

「本来宿屋という施設は、例えVIPが宿泊していても、その事は口外しないのが正しいあり方だ。だがこの宿屋はどうだ? 瞬く間に町内中に知れ渡った挙げ句、流れ着いた旅の者(我々)にまで、その日の内に情報が入ってきたろ」

「確かに…安全の為、宿屋全体を貸し切り状態にして、秘匿性は0じゃったな…」
「犯人連中にも情報は素早く届いただろう…そして、その事を利用しようと考えたんだ」
辺りを見渡すと、円卓を囲んで会話している私達を、宿屋の人達が囲む様に立ち聞き入っている。

「きっと数週間前から黄金の腕輪を手に入れようと、犯人達は計画を練っていたに違いない。もしかしたら当初は姫ではなく、町長の娘(家族)を攫って腕輪を要求しようと考えたのかもしれない。…だが状況が一転する! サントハイムのお姫様が、こんな田舎町に訪れ宿屋を借り切ったんだ! チャンスに見えたんだろうね…」

「何でそれがチャンスに見えるの?」
お姫様を誘拐するなんて、ハイリスクだと思う。
私は話の先を聞きたかったけども、その事が気になり問いかけてしまう。

「うん。そこが今回、人質を無事救出する事が出来るポイントなんだ! 良い所に気が付くねアリーナは」
褒められた…頭を撫でられた…
嬉しい?

「黄金の腕輪について少し調べれば分かる事だが、コレはモンスターが多数蔓延る洞窟の奥深くに封印されている…さて、果たしてこんな田舎町の町長の娘を救出する為に、危険を冒して洞窟へ赴く人間が居るだろうか? …居たとしても少数だろうし、黄金の腕輪を持って帰ってくる事が出来る猛者が居るとは限らない。娘を誘拐し、目的のブツは回収出来なかったでは、無駄に罪を犯しているだけだからね…しかし、お姫様の命と引き替えであれば、人々の本気度も違い猛者が大勢現れるだろう」

ここまで言い終えると、リュカは出された紅茶に手を伸ばし一口啜った。
私も先程飲んだが、酷く不味い…
リュカも顔を顰めティーカップを置くと、水を要求する。

「さて…犯人がハイリスクを選択した理由は分かったね。じゃぁ次は犯人側の気持ちになって考えるんだ。ハイリスクを背負っても大丈夫な理由は?」
「つまり逃げ延びる算段があったってこと?」
私が躊躇いがちに聞くと、指を“パチン”と鳴らし褒めてくれる。

「そうなんだよ。どういうルートか分からないが、犯人達は黄金の腕輪を売却し、余所の国へ逃げ延びる算段
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ