巫哉
巫哉
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ているか。
日紅と過ごした時間は、短かったけれども、眩しく美しく輝いていた。
日紅と会って、はじめて俺は俺を知った。
日紅。
自分の心の在処も知らない俺だけど、確かにおまえを慈しめた。
もしも…俺が、生まれ変われるのならば。また、おまえと会いたい。そのために、一億年待っても良い。どれだけでも待つ。妖でなくて良い。ヒトでなくて良い。地に咲く花でも良い。
違う存在でも、たとえ命の長さが違っても、寄り添って生きていけたら、それはこの上ない、幸せだ。そうだろう、日紅。
だから、また、俺を見つけろよ。
秋の夜の、涼しさの中で。古ぼけた公園の、痩せた木の根元で。
何度でも、俺を探して。
「巫哉、巫哉、巫哉!嫌だよ、巫哉!」
…日紅。
俺の名を、呼んで。お前だけが呼ぶ、俺の名を。
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