バスター・モード
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ら離れよう。あいつの仲間がいたら面倒だ」
「ええ、分かったわ。ほら明日香、しっかりなさいよ。アンタがここに来たいって言ったんでしょうが」
ツァンが気絶している明日香を起こしに行っている隙に至高の木の実を実体化させて飲み込む。これで先程以上に身体に活力が戻ってくる。さすがに傷が塞がったりはしないが、これで命の危機からは脱せた。
(遊矢、本当に大丈夫?)
サイ・ガールがツァン達には見えない状態でオレの隣に現れる。
(ああ、大丈夫だサイ・ガール。今回は悪かったな)
(気にしなくていいよ。それよりもその建物には気をつけて)
(何かあるのか)
(もの凄い闇の気配を感じるの。それにこの島自体もなんだか闇の気配がするの)
(闇の気配か。おそらくそいつにも関わる事になるだろうな。注意だけはしておくさ)
(気をつけてね。何かあればすぐに呼ぶのよ)
(分かってるさ、相棒)
軽く頭を撫でると納得したのか姿が見えなくなる。おそらくは次元の隙間に帰ったのだろう。
あの後すぐに目を覚ました明日香に保険医の鮎川先生に連絡しに行ってもらい、ツァンの肩を借りて保健室まで歩いて行く。
「ごめんなさい。私が呼んだせいでこんな目に会わせて」
「気にするな、と言っても気にするんだろう。オレは呼んでくれてありがたかったがな。もしツァン達が闇の決闘に巻き込まれていたらと考えると、ぞっとする」
ツァンも想像したのだろう。一瞬、足が止まる。
「あの決闘は闇の決闘の中では比較的易しい方だ。もっと闇が濃くなれば、ライフが無くなる前に死ぬ事だってある。実際、伝説の決闘者である城之内さんが一度命を失いかけているし、オレも何度か殺している」
「アンタ、何回闇の決闘をしたって言うのよ」
「数えるのが虚しくなる位にはな。それだけの数の命をオレは奪ってきた」
命と表現したのは精霊もその中に含まれるからだ。
「オレの両手は既に血まみれだ。ツァン達の代わりに成れるのなら、オレは進んで闇の決闘を受けてやるさ」
「馬鹿!!それでアンタが死んだらどうするのよ」
「死なないさ。カードを、相棒達を信じる限り、オレは負けないし、死なない」
デッキケースを軽く叩いてみせる。どうせ死んでも人生をやり直すだけだからな。それも中途半端な時間から。
「分かってない、分かってないわよ、アンタ何も分かってないじゃない」
ツァンが涙目でオレを見てくる。
「怖かった。アンタが、遊矢が死ぬんじゃないかって、私のせいで巻き込まれたのに。悔しかった。見ているだけしか出来なかった自分に」
「ツァン」
「闇の決闘なんて受ける必要なかったのに、知っていた
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