第67話 =協力=
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空を支配されて自分はそれを見上げるだけ…という未来は絶対に許せないものだとか。
「でも…だからってサラマンダーのスパイなんかに…」
「もうすぐ導入される《アップデート5,0》の話は聞いているか?つに《転生システム》が実装されるという噂がある」
「あっ……じゃあ…」
「モーティマーに乗せられたんだろうな。領主の首を差し出せばサラマンダーに転生させてやる、と。だが転生には膨大なユルドが必要となるらしいからな…冷酷なモーティマーが約束を履行したかどうかは怪しいところだな…」
「恐らく、約束は破棄したでしょう」
サクヤさんの言葉に続けるように隣のサウスが口を開く。サラマンダーの幹部がそう言うんだから疑う余地は無いだろう。残念だな、シグルド…と、ついつい同情したくなってしまうがその前にやろうとしていることが最低なのでそんな気持ちにはならなかった。
「それにしても……ALOは欲試しのゲームだってことを痛感するなぁ…」
「だな…デザイナーは嫌な性格してるに違いないぜ」
「ふふ…まったくだ」
俺たちの言葉にサクヤさんも笑って返す。不意に左の腕が誰かのと絡まり体重がかかってくるのでその方向を見るとリーファが目を閉じて体を預けてきていた。
そしてリーファがシグルドをどうするか、を訊ねるとサクヤさんはアリシャさんに『月光鏡』というものを頼んでいた。アリシャさんも快く応じ、スペルワードを高く澄んだ声で連ねていく。サウスに聞くところ有名な闇魔法らしく鏡を自分の前、相手の前にそれぞれ出現させ話をすることができる…簡単に言えばテレビ電話のようなものだといっていた。
言うとおりに鏡が出現しその中にはここから遠く、スイルベーンの一室が映し出されており、その中にワイングラスを持って偉そうにしている人物が。サクヤさんは一歩前へ出ると琴のような針のある声でその中の人物に呼びかける。
「シグルド」
呼ばれた瞬間、シグルド目を見開いてバネのように体を起こし、顔を引きつらせていた。もう、こぼれたワインなんてお構いなし、震えた声で自身の領主の名を呼ぶ。
「あぁ、そうだ。残念ながらまだ生きているよ」
それに淡々と答えるサクヤさん。
『な、なぜ……いや…か、会談は……?』
「無事に終わりそうだ。条約の調印はまだだがな。そうそう、予期せぬ来客があった。ユージーン将軍が君にヨロシク、と」
『なっ…!?』
その発言に鏡の中で驚愕に包まれていくシグルド。ゴツゴツとした男ではなく漢、と思わせるような顔はどんどん青ざめていき目線はきょろきょろとしている。その視線が不意に止まったかと思えばそれはこちらの方…正確にはリーファ、キリトを捕らえていた。
『リー……!?……無能なトカゲどもめ』
リーファの
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