第67話 =協力=
[1/8]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
俺が地面に降り立つとそこは拍手や口笛、「ブラボー!」などの叫び声の嵐のど真ん中だった。リーファの話ではサラマンダーはいわゆる悪者、のようなイメージを抱いてしまったがやはり同じゲームで遊ぶ仲間だろうか、シルフもケットシーもサラマンダーも根元の方は一緒なんだな。
敵の指揮官…ユージーン将軍が蘇生されたあと、サウスのリメインライトを蘇生してもらうために渡し、サラマンダーとは反対の位置に移動する。
「…そういえば……なんでサクヤさんがここに?」
「いや…サクヤはシルフの領主だから…」
リーファに聞くとどうやらそういうことらしい。俺はそんな偉い人にあんなことをされたのか…いや、そのおかげで随意飛行が出来るようになったのだけど…。
回想している間にサウスとユージーンの両名が蘇生され、サラマンダー側に戻ったのをきっかけに再び周囲を静寂が包む。
「……見事な腕だった。俺が今まで戦った中で最強のプレイヤだ、貴様は」
「そりゃどうも」
「貴様のような男がスプリガンにいたとは……世界は広いということか」
「…俺の話、信じてもらえるかな?」
キリトの言葉にユージーンは目を細め沈黙する。その時、サラマンダーの大軍の中からランスを持った1人のプレイヤーが歩み寄ってきて、その左手で面頬を跳ね上げる。
「ジンさん、ちょっといいか」
「カゲムネか……何だ」
どこかで聞いた名前だな…と記憶を遡ぼっているとすぐ思い出せた。そういえばあの生き残りメイジのプレイヤーがその情報をくれたっけ…。ってことはあの時キリトと俺が剣を交えたあの集団のリーダー…。
「昨日、俺のパーティが全滅させられたのはもう知ってると思う」
まさにその時の話をしているのでこの世界に来て何度目か判らない冷や汗が背中を流れる。
「あぁ」
「その相手が、このまさにスプリガンとヴォルトなんだけど……確かに連れにウンディーネがいたよ」
その発言にびっくりし、声が出そうになるがぎりぎりで飲み込む。キリトも一瞬眉を動かすが、すぐに得意のポーカーフェイスに戻す。
「それにSの情報でメイジ隊が追っていた連中もこいつらだ、確か。……どうやら撃退されたらしいけど」
ユージーンは顔を傾け、カゲムネを見る。そして軽く頷くと「そうか」と軽い笑みを浮かべた。
「…そういうことにしておこう」
次いでキリトに向き直り、言う。
「確かに現状ではスプリガン、ウンディーネ、ヴォルトと事を構えるつもりは俺にも領主にも無い。この場は引こう」
そこで言葉を切り、キリトをニヤリとした表情で見つめ口を開く。
「だが、貴様とはいずれもう1度戦うぞ」
「望むところだ」
キリトが良いながら差し出した拳にゴツンとユージーンは拳
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ