暁 〜小説投稿サイト〜
Sword Art Online-The:World
#03 遭遇
[2/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
と肩に手を置きカイトはまるで恋人のように顔を出してくる。

「報告書ッスよ、報告書。クリアした時、全部口頭で言うなんざメンドいだろ」

「まだ第一層もクリアしてないのに、気が早いね。若いねぇ、ハセヲは」

「………っつか、キモい。横から顔出すなよ、近い。てゆーか、時間なんだから普通に声掛けてくりゃいいだろーが。ほら、さっさと行くぞ」

現在ハセヲ達は、第一層の街・トールバーナの宿屋にいる。
時間は夜、現実時間で午後八時を回ったところか。二人は基本パーティを組み、現在は夜間にのみ行動時間を絞ってレベル上げ、アイテム回収を行っている。それは、先日茅場が二人に与えたスキルが大きな要因だった。

双刃(そうじん)』『錬装(れんそう)』、これらのスキルはシステム上存在しないスキル。ハセヲとカイト、この二人の為だけに茅場がこしらえた特別なEX(エクストラ)スキル。故に、二人はそれを与えられて後、他のプレイヤーと同様に狩りをする事が出来なくなってしまった。何故なら、

「まさか、常時発動系のスキルだとはねぇ………」

「スキルっつーか、アバターの仕様だろ、コレ。解除不能とかどんだけだよ」

カイトのスキル『双刃』は文字通り、二刀流のスキル。
最も、装備する剣は短刀、短剣などのの小型の剣のみで、長剣、大剣、盾や他の装備はそもそも装備不可能。移動速度、アイテム使用速度や技後硬直、反応速度にステータスボーナスが付加され、コンボボーナスや火力も僅かだがプラスされる。

ハセヲのスキル『錬装』は、瞬間換装のスキル。
初期装備として使用可能な装備一式、直剣、短剣限定での二刀流も可能、一定のレベルを超えれば徐々に使用可能な上位互換の装備が解放されていくようだ。
戦闘中の換装直後の硬直は無く、アイテムストレージから一々アイテムや装備を選択する必要もなく、スキルに設定された特殊なスロットに設定した場合、『懐に手を入れる』『腰に手を回す』などといったモーションだけで各アイテムを使用できる、という便利スキルでもある。
現在は様々な技を習得中ではあるが、それを差し引いてもこのスキルは“優秀すぎる”。

いくらGM(ゲームマスター)から与えられたものとはいえ、こんな物を大衆の前で晒せば(ろく)でもない事になるのは間違いない。それどころか、今後のゲームの進行にすら関わる大問題だ。
MMOにあるまじき、管理者のユーザー優遇。そんな下らない話を、“いけしゃあしゃあ”と誰かに話す事など、とても出来なかった。
そうなると、二人の活動時間はプレイヤー達が寝静まる夜間に限られる。
システム上は不要だそうだが、ハッキリ言えば此処が今の彼らの現実。日常は現実と変わらない。食べ、話し、眠り、起きる。それは欠かせない。
そんな2人が郊外の平原へ向かう折、市街
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ