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第四十八話 再会、名無しの名刀
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黒い刀だった。

「えーっと・・・銘は【ザ・ネームレス】?これ、名前って呼んでいいのか?」

そのコスモスの呟きを聞いた時、ソレイユは呆れて笑うしかなかった。
【ザ・ネームレス】。それはSAO時代、ソレイユが【天凰フェニクニス】と共に愛用していた刀の銘だ。数々の死線を共に潜り抜けてきた相棒が再びソレイユの元へ戻ってきた。

「(運命なんてものがあるなら・・・感謝の一つでもしたい限りだな)」

心の内でそう思うソレイユ。昔を懐かしんでいると、コスモスが【ザ・ネームレス】をソレイユのもとに持ってきていた。

「こんなんでいいか?」

そう言いながら打ち立ての刀を指し出してくるコスモス。それを受け取り、手に取ってみてみると常時淡く紅い光を宿している【エクリシス】とは違い、全てを飲み込むほどの深みのある黒一色の刀身。SAO時代と何ら変わりのない姿があった。

「まさか、お前が来るとは思ってもみなかったよ」

だれにも聞こえない声で微笑みながら刀に向かってそう言うソレイユ。少しして、空けた場所で振ってみると当然のごとく手になじむ。そこでコスモスが刀の感想を聞いてきた。

「気に入ってもらえたか?」

「ああ、十分すぎるほどにな」

「それは何よりだ。鞘はどうする?」

「黒塗りの鞘で頼む」

ソレイユの注文を聞くと、コスモスはアイテムウインドウを開き目当ての鞘を探していく。改めて、【ザ・ネームレス】に視線を向け――

「『また』、よろしくな。相棒」

――【ザ・ネームレス】に語り掛けるように言うソレイユ。その言葉に返事をするかのように【ザ・ネームレス】は刀身を煌めかせた。

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