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第四十八話 再会、名無しの名刀
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歩いているソレイユ。ルシフェルは特に気にした様子もなく二人の後をついていく。

「おいおいっ!どこみて歩いてんだ、ったくよぉ!」

いきなりの野太い大声に三人は反応したが、程度に違いがあった。ステラは隠すことなく野次馬根性を発揮し、ソレイユはやれやれと言ったように溜息を吐き、ルシフェルに至っては額に手を当てやっちまったな的なオーラを背負っている。
己の野次馬根性に従って行動するステラを放っておくわけにもいかず――というか、ステラに案内してもらわなければ、彼女御用達の鍛冶師のもとにたどり着けないため――ソレイユとルシフェルも声の発生源の方に歩を進める。

「何があったんだ?」

「何やらぶつかったらしいんだよ・・・あれほど騒ぐほどのことじゃないと思うんだけどね・・・」

近くにいたプレイヤーに事の成り行きを聞いてみると、プーカの少女がノームにぶつかったらしい。たったそれだけのことでこれほどまで騒ぎを大きくできるのか、とソレイユは変な方向に感心していた。
野次馬が多すぎて状況が見えないので、近くにあった店の屋根に飛び乗る。すると三人いたノームの男のうちの一人が背中に背負っていた大剣を抜き、振り上げているところだった。プーカの少女は恐怖の為か蹲って震えていて動かない。それを見かねたソレイユが居合の構えを取り、刀に手を掛けようとした時、その手をつかむものがいた。

「やめとけっ」

「・・・なんで止めるんだよ、ルシフェル」

ソレイユの手をつかんだ人物はルシフェルだった。

「そういや、言ってなかったか・・・レプラ領は戦闘禁止区域なんだ」

「戦闘禁止区域?」

「ああ。それぞれが暗黙の了解としてレプラコーン領では戦闘を行わないという規定を定めた。絶対的中立を謳う種族だからな・・・だから、レプラ領では武器を構えてはいけないんだ」

「なら、あれはどうすんのよ?」

居合いの構えを解き、顎で大剣を振りかざすノームの男を差す。しかし、ルシフェルは問題ないというような表情で言った。

「もし、武器を構えるプレイヤーがいたならばレプラコーンは問答無用でそいつを排除することができるんだ。もちろん、問題を起こした人物のみがその対象となるがな・・・」

ルシフェルがそう言っている間にノームの男は大剣をプーカの少女に向かって振り下す。しかし、そこに割って入る影があった。

ギィーンッ

裏腰に白鞘を携えて、鍔のない日本刀で大剣を受け止めているのは光沢のある藍色の髪の男性プレイヤーだった。ギチッギチッと鍔迫り合いが行われているが、レプラの男性は後ろでおびえている少女に話しかける。

「大丈夫かい?」

「え・・・あ、あの、その・・・は、はい・・・」

行き成りの問いかけにしどろもどろになりながら答える
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