トンキー
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ける。
「狩るなら早く攻撃してくれ。狩らないなら離れてくれないか。我々の範囲攻撃に巻き込んでしまう」
そういい終わらないうちに、男の背後から残りのパーティーメンバーと思われるプレイヤーが姿を現した。
『チッ、数が多いな……両手剣さえあればいけるのに……』
そう思ってウンディーネのパーティーを人通り見るが両手剣を持つプレイヤーなどはいなかった。
ともかくトンキーを守らなければと思ったゲツガは何か言おうとする前にリーファが言った。
「……マナー違反を承知でお願いするわ。この邪神は、あたしたちに譲って」
それを聞いた男と背後のプレイヤーから軽い苦笑の気配が流れる。
「下級の狩場ならともかく、ヨツンヘイムに来てまでそんな台詞を聞かせられるとはね。『この狩場は私の』とか『このモンスターは私の』なんて理屈が通らないことくらい、ここにこられるほどのベテランならわかってるだろう」
男のいうことは正しい。前の世界でもこのようなことは当たり前だったからだ。だがゲツガは引き下がるわけにも行かないためリーファの前に出ると頭を下げた。キリトも同じことをしていた。
「頼む」
キリトの後にゲツガは言う。
「こいつはカーソルは黄色かもしれないがこの邪神は俺たちの仲間……いや友達なんだ。こいつは死にそうな目に遭いながらもここまで来たんだ。最後までしたいようにさせてやってくれ。頼む」
ゲツガがそう言うとウンディーネの部隊からは笑い声が響く。目の前の男は失笑してゲツガとキリトに言った。
「おい……おいおい、あんたらプレイヤーだよな?NPCじゃないよな?」
そう言い終えて、笑いを納め、頭を振ると肩から流麗な装飾のなされた弓を下ろし、矢筒から銀の矢を抜いてつがえた。
「……悪いけど、俺たちも、このフィールドでだらだら遊んでいるわけじゃないんだ。さっき大きめの邪神に壊滅させられかけてね。苦労してリメインライトを全部回収して、やっとパーティーを立て直したところなんだよ。狩れそうな獲物は狩っておきたい。てことで……十秒数えるから、そいつから離れてくれ。時間が来たら、もうあんたたちは見えないことにするからな。メイジ隊、支援魔法開始」
そして男は後ろの男たちに指示をする。しかし、ゲツガはそれを黙ってみてるほど愚か者じゃない。
「キリト、俺はトンキーを助けたい」
「ああ。俺もそうしたい。だけど、この人数は無理だ」
「大丈夫だ。神は乗り越えられる試練しか与えない」
「お前、神とか信じてんのか?」
「まあな、無神論者じゃないんだよ。じゃあ、トンキー助けるぞ」
そう言ってゲツガは目の前の男の前に立つ。男はなんだという風にゲツガを見た後すぐに早く
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