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Fate/Fantasy lord [Knight of wrought iron]
連鎖する不幸福
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りませんし。いや、貴方がつまらない存在だと言っているのではなく、単純に貴方が意図的に話を逸らそうとしているのがバレバレだから、素直にその気持ちを汲んであげようと決断したに過ぎませんので」
ここまで眩しい笑顔が憎たらしく思えたのは久しぶりだ。
詰まるところ、『仕方ないから見逃してあげる。その代わりこの質問にははぐらかしも通用しないから覚悟しなさい』と脅迫されているようなものだ。
質問の内容次第では、延々と質問攻めされるよりも悲惨な末路が待っているだろう。
この女、なかなかに狡猾だ。
逃げるという選択肢は存在しない。
この箱庭のような世界では、私という存在が認知された時点で逃げ場はなくなっている。
意趣返しによる脅迫も恐らく意味はない。
白狼天狗の時に把握済みだが、彼女のバックには強大な力が仁王立ちしている。
その場凌ぎの立ち回りで下手に事を構えるのは、下策でしかない。
「―――で、一体何が聞きたいんだ?自ら立場を捨ててまで問おうとすることなのだ、さぞかし込み入ったことなのだろうが」
「それは思いこみですよ。私が聞きたいことはただひとつ。―――その外套、一体何ですか?」
「何、とは?」
「いや、実は………。お恥ずかしながら、その。これを届ける前にこれを羽織ったんですよ」
射命丸は恥ずかしそうに頬を掻く。
素直に言わずとも適当にはぐらかせばいいのに、変に律儀だな。
それにしても、彼女がこの外套を、ね。
嫌悪感はないが、何というか複雑な気分だ。
彼女の羞恥が伝染しそうになったので、早々と話を進めることにする。
「で、それがどうしたのかね」
「あ、はい。その時、不思議な感覚が身を包んだんです。まるで、何かに護られているような………」
護られているような感覚、か。
それは間違いなく、この外套に付与された概念が関係している。
しかし、私はそのような感覚を感じたことはない。
彼女は妖怪だから、概念に対しての感覚が他の種族よりも鋭敏なのかもしれない。
「それは、この外套に付与された特殊な力が原因だ。上手く説明は出来ないが、これは外界からの修正力に対しての緩衝材のような役割を果たしているんだ」
「成る程。知り合いにもその外套を見せたのですが、やはり当事者が一番的確に説明してくれますね。修正力、ですか。よくわからないけど、そこら辺は知り合いと考察してみるとしましょう」
「そうか。ではもういいかね?」
「ええ。―――っと。その前に、最後にひとついいですか?」
「まだなにかあるのか」
「いや、その。その外套にもう一度触れたいな〜って。あの心地よさをもう二度と味わえないのかと思うと、尾を引くのは自然の摂理だと思いますが」
未練がましい祈りを吐き出す。
そこまで
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