斧手のモーガンさんって、行方知れずらしいよ……。
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処刑されていたほうが、多少苦しみは少なかったかもなぁ」……うわぁあああああああ!!!」
クルリと振り向き脱兎のごとく駆け出す海賊。 まったく往生際が悪い。
瞬時にモーガンの前に回り込み。 拳を硬く握り締める。
「そんなにドタドタ走るな。 埃が立ってご近所迷惑だ。
鉄腕……【皿割りインパクト】!!!!」
メゴ、メゴ!!!
鈍い音が二度響き渡る。 モーガンの膝に打ち込まれた拳は、正面から膝の皿を粉砕した。
「ガァァァアア」
膝の皿が割られて、まともに歩くことができなくなったモーガンは、地面に倒れ伏すも、それでも必死に体を動かして逃げようとした。
「……おい」
「ヒィ!!!」
私の呼びかけに、壊れた人形の様にこちらを振り返る海賊。
その目に映るのは、数メートルもない距離に近づく、鱗粉の壁であった。
「観念しなさい」
「ま、まて、『ジュ』ギャァァァ、『ジュウ』ウギャァァァ、『ジュゥゥゥゥ』 た、タスケ、『ジュヴァァァァァアアアア』ギャァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアァァァァァァァ………………」
「ふん、最後までうるさい奴だ。 海軍本部に行っても、どちらにしろ処刑されるんだ。 私の手で逝けてよかったな。 普段なら、死んだあともさらし首で、市民から石を投げつけられるなんて惨めな末路が待っているのに、この世から完全に消えられたんだからな。 感謝しろよ」
そう呟く私の前には、なにも残ってはいなかった。
◇◆◇◆◇
こうして、元海軍第153支部大佐、斧手のモーガンは消え去った。 かけら一片たりとも残らず、この世から消滅したのである。
アモスの逆鱗に触れた者の末路は、大概が同じようなものであるが……。
このあと、「やべ、消しちゃったらどうやって本部に連絡しよ!!?」と言いながら、急いで軍船へ戻るアモスが見受けられた。 追いかけている最中の弟、ルフィはかなり先に進んでしまったように思われる。
それからしばらくして、軍船に戻ったアモスは本部に報告を入れている。 「ヤッちゃいました、テヘッ☆」と。
その日、報告を聞いた海軍元帥の吐く、深い溜息の音と『やはりあの親子は……』という呟きが、海軍本部元帥執務室にずっと木霊していたとか……。
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