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英雄伝説 零の軌跡 壁に挑む者たち
6話
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は経済、具体的に言うと株だった。というのも幼馴染の親友マリアベルから誘われたのである。
彼女の実家はクロスベル自治州のみならず大陸で一番の資産を持つ銀行、IBCを経営する銀行家一族でその後継者として経済を実感するため、そして政治家になって経済のことを何もわからないと笑われると遊び半分で誘われて参加したのだ。

しかし株と一口に言ってもいろいろあり、また値が上がるのか下がるのかその理由はなんなのかと情報収集して、結局あまりの膨大な情報量にさっぱりだった。
それでもベルは帝王学の賜物と高笑いしつつ的確に情報を取捨選択して私も手伝い見事利益を上げていた。

「金融を通じてクロスベルは世界を支配しているの。本当の価値は情報よ。そしてそれを安定して把握するシステムさえ握ればわたくしたちの世界支配も近いわ」と金髪を振り乱して力説してくれた。

ベルが言うには世の中はシステムが全てであり先にそれを手にした方がお得ということらしく。

「わたくしがIBCの総裁になってあなたが自治州議長なり市長なりになったら一緒に世界を作り変えましょう」

ベルは一つ年上で自信満々に何から何まで仕切りたがりパワフルで何でも人並み以上にこなしてしまう自信家だったが、お互いに親同士が友達というだけでなく家格が高過ぎたからかほかに親しい友人が出来なかった幼い頃からの本当に良くしてくれる親友だった。

そのベルが突然留学すると言い出したのだ。なんでも都市開発で出資しているエプスタイン財団の技術を学ぶためとのことで。

「実地で今の内に勉強しておきたいのよ。システム作りよ、シ、ス、テ、ム」

その言葉通りすぐにIBCは金融のネットワーク化を達成して膨大な量を取り扱い利益を上げることになり、クロスベル市にネットワークを整備しようとしている。これはレマン自治州以外では導力先進国と言われるリベール王国でも達成していない快挙であった。それを見抜いての勉強やら開発投資を行うIBCの長期的な戦略には感心するしかなかった。

私はこの時、競技射撃に熱中しており、政財界にも趣味でやる人が多く競技用やら護身用ということで習いつつ人脈作りに勤しんでいたからあまりに突然のことで驚くばかりだった。
けれどこれも良い機会だと以前からアーネスト先生の進めもあり外からクロスベルの政治情勢を見ることも大事だとおじい様には両親に顔を見せに行くという理由もあり留学に賛成してくれた。

しかし両親に会えた嬉しさや留学先での生活や出来た友人などいろいろと有意義だった反面、外から見たクロスベルの現状は内部から見るよりも容赦がなかった。
各国の国力や力関係、歴史、他国民からの認識の全てがクロスベルの状況を絡め取り身動きできなくしていた。

各国の政治学を学べば何か突破口になるようなものが、せめ
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