第23話 温泉街で休日?
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えたらいいか分からないユーノ。
「はっはっは、結構なことじゃないか。男だったら、好きな女性の一人や二人できてもいいものさ!」
それに爽やかに笑いながら士郎が入ってくるが、
「あら士郎さん、そんな事考えてらっしゃったのね♪
……えぇそうでしょうねぇ。私と結婚する前は世界を飛び回って一体どれだけの女性を泣かせてきたのか、今もどれくらい親交があるかなんて分かったものじゃないですよねぇ??」
「も、桃子っ! 違う、これは言葉のあやと言うか「ふふっ、言い訳は見苦しいですよ♪」い、痛い耳を引っ張らないでくれ!」
すぐさま、微笑みつつも目が据わっている桃子に耳を引っ張られ、旅館の方へと連れて行かれる。
そんな誰かれもがやいのやいの言ってる中、純吾は独り人形のように抱かれながら本当に、本当に切実な思いを込めて呟くのだった。
「早く……休みたい」
そして場所は変わり、今は温泉の目の前。
温泉街に来たのだから、まずはここだろう! という事で全員でやってきたのだが、またもや喧騒が繰り広げられていた。
「ジュ〜ンゴっ! 一緒に入りましょ?」
「……や」
ユーノを両手で前面に押し出し、目をリリーから逸らしながら言う。ユーノが「生贄っ!?」と叫びもがいているが、今の純吾はそれを気遣えるほど心の余裕が無い。
「ふふっ、照れちゃってもう♪ 大丈夫よぉ、ここ9歳以下の男の子は男女どっちの温泉に入っても怒られたりしないから」
右手の人さし指を頬の近くで立て、「おねーさんとの約束だぞ☆」のポーズ。それが余計に純吾の不安を掻き立てる。
ついでに後ろで「リアル湯けむり殺人事件再びっ!?」とか騒ぎ始めたうっかりメイドがリリーの裏拳でノックアウトされた事も、違う意味で純吾の不安を煽る。
「ジュンゴ、ホントの年齢と違う」
「だぁ〜いじょうぶですって! 今のジュンゴは小学3年生、世間一般では歴とした9歳の男の子よ。
だから、ねっ。大丈夫よ、さきっちょ、さきっちょだけだから……」
もうポーズを取り繕うのもやめたのか、鼻息荒く手をワキワキと妖しげに動かし、血走ってちょっと危ない眼を純吾に向け始めるリリー。
それに身の危険を感じてユーノをより前面に押し出すが、ここでリリーに待ったをかける声が上がった。
「待つにゃリリー。ジュンゴにゃんが嫌がってるのが見て分からないかにゃ?」
「この声は駄猫!……って、何ジュンゴの肩に乗ってんのよ」
トンっ、と軽い音と共に純吾の肩に乗ってリリーを睨むシャムス。その目は青から紅に変わり、紫色の前髪があるのがバステトの面影を残している。
「そんにゃことはどうでもいいにゃん。
それより周りを見るといいにゃ。ろしゅ
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